2024年12月の記事一覧
第63回全国高等学校生徒英作文コンテスト 入選
第63回全国高等学校生徒英作文コンテストへ、理数工学科に所属する2年生1名が作品を応募し、見事入選を果たしました。
今年度、全部門・全国で唯一1人だけ工業高校生の作品が入選することとなりました。
全国高等学校生徒英作文コンテストは昭和37年度から続いており、文部科学省後援の日本最大級の英作文コンテストです。
令和6年度の2~3年生の部では、"Why do I study English in the age of AI?" というタイトルで英作文を書くことになっております。
これに対し、日常生活の中で関わりのある外国人との会話の中で、「なんで日本人は毎日疲れたって言うの?」と聞かれたことについて、書いていくことにしました。
最初は今話題の会話型生成系AIに聞いてみたところ、「お疲れ様」を "Good job." と英訳され、納得いきませんでした。
そこで、彼女の中で「疲れる」→「お疲れ様」→「ねぎらいのことば」→「ねぎらい」→「リスペクト」と変換していき、英語圏でも相手の仕事をねぎらう文化がないか探しました。
すると、"fist bumping" (日本語ではグータッチと呼ばれるもの)がそれに最も近いあいさつだと考え、その方に英語で「お疲れ様とfist bumpingの類似性」を説明し、それをきっかけに、2人は別れ際の挨拶として "fist bumping" しながら「お疲れ様」と言うようになりました。
このように文化を越えて柔軟な発想をし、異なる文化同士を結び付けて新たな習慣を作り出していくことは人間特有の性質であるため、自分自身で英語を学ぶ必要がある、と英語でまとめて作品にしました。
*海外には、オバマ元大統領が清掃スタッフにねぎらいの意味で "fist bumping" をしたように、お互いの立場や上下関係を問わず、相手に対して敬意を示し、"Respect." と言いながら "fist bumping" をする文化があります。
日本語の「お疲れさまでした」も、お互いの立場を超えて声を掛け合う様子から、"fist bumping" と「お疲れ様のあいさつ」を同様のものと見なした、とのことです。
「お疲れさま」は日本特有の文化の1つだと思っていましたが(日本に来るALTもそのように考えているようで、それにならってあいさつをすることが多いです)、彼女の柔軟なアイディアには驚かされました。
元々は、マレーシア修学旅行に行く際に英語を使うことになるので、その練習になると良いな、という動機で英作文コンテストに挑戦したようですが、見事に作品が入選したことで、英語学習のモチベーションにもつながったようです。
2月に行われるSSHの一大イベントである海外研修のメンバーにも選ばれていますが、そこでも浜工で鍛え上げた英語力を発揮したいと意気込んでおります。
ぜひとも、持ち前の英語力を見せて、海外研修でも良い経験を積んできてほしいですね。
理工展にて発表してきました(於:京都工学院高校)
12月18日、京都市立京都工学院高等学校にて第3回理工展が行われました。
浜工からは理数工学科の2年生がゲスト発表するということで、情報技術科の同じく2年生に手伝ってもらいながら、京都工学院高校へ行ってきました。
浜工は全国初の工業高校としてのSSH(スーパーサイエンスハイスクール)に指定され、今年度で第3期目に入りました。
京都工学院高校もSSHに指定され、学校を挙げて研究成果を発表している中、本校の生徒も参加させてもらった形です。
プラスチックのリサイクルを進めていく上で、産業廃棄物となる各種の配線に焦点を当てました。
中の銅線は100%近くリサイクルされているのに対し、その周りを包む被膜の部分がリサイクルされずにそのままゴミとして処理されているのを何とかしたい、という狙いとのことです。
被膜の多くがPVCとPEで作られていることに着目し、PVCとPEの分別ができる機械を作る研究を進めてきました。
1年生の時は、テラヘルツ派を使った測定をしてプラスチックの分別をしようと研究していましたが、テラヘルツの測定器やそれを感知するセンサー類がまだ現実的な面で実用化されていないというハード面の壁にあたっていました。
そこで、赤外線と決定木ツリーをうまく組み合わせて、これまでにない新しいシステムを作ろうと研究しています。
また、京都工学院生から「ホワイトボックスAIにした理由はなんですか?」という鋭い質問があり、技術的な課題から今自分たちでも扱い切れるプログラミングにした、と返答しつつ、一緒に来た情報技術科の生徒がニューラルネットワークを用いたディープラーニングについて、質問をした京都工学院生と熱い議論を交わしておりました。
その会話を横で聞きながら、情報教育の進歩の凄さに感心しておりました。
学科の枠だけでなく、学校の枠も超えた異分野交流をすることができて、本当に良い経験となりました。
この後は、2月の国際シンポジウムでの発表を目指して、この研究を英語で発表できるように練習を重ねていく予定です。
今後の益々の成長が楽しみです。