概要

 スーパーサイエンスハイスクール(SSH)とは
 高等学校等において、先進的な理数教育を実施するとともに、高大接続の在り方について大学との共同研究や、国際性を育むための取組を推進します。また創造性、独創性を高める指導方法、教材の開発等の取組を実施します。

国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)より)

 本校では、平成25年度より文科省より指定を受け、SSH校として研究活動に取り組んでいます。

年度 研究開発課題
 R06-R10  Ⅲ期目 「令和の日本型学校教育」における、これからの工業高校の在り方を示す先駆的な研究
 H31-R05 Ⅱ期目  鍛え抜かれた実践力と科学に基づく創造力で、世界をリードする最先端科学技術者の育成 
 H30   経過措置 

世界に羽ばたく科学技術者の育成に向けた教育課程の開発

―数学・理科教育と工業教育との融合並びに国際化に向けた取組― 

 H25-H29  Ⅰ期目

 

 報告書などはこちらをご覧ください。

NEWS

SSH-NEWS

SSH浜工ラボ【基礎】「立体を平面上に再現する」

今年度からSSH3期目(1期=5年間)がはじまりました。
SSHは、文科省が全国で先進的な理数教育に取り組んでいる約200校を指定して、これから新しい理数教育の研究開発をするものです。

浜工の3期目の目玉の一つが「浜工ラボ」。
浜工は言わずと知れた工業高校。
SSHでは純粋に工業高校と呼ばれる学校は、浜工と京都工学院だけ。
あとは各地区を代表する進学校(普通高校)ばかり。

浜工ラボでは、普通高校にはない工業高校ならではの特色を活かした取組です。
浜工には8つの学科があり、それぞれに専門的な機材がそろっています。
そして、それを指導する教員、それを使いこなす生徒がいます。
他校にはない人材、機材を活用した研究交流を進めようというのが「浜工ラボ」なのです。

その第1弾として、「浜工ラボ基礎編」を実施しました。
この基礎編では、浜工8つの学科で取り組まれている基本的な学習内容をもとに、中学生へ自由研究の場を提供しようという取組です。

まずは、「立体を平面上に再現する」と題して実施した情報技術科での浜工ラボ基礎編を紹介します。
簡単に言えば、コンピュータグラフィックスです。
空間に存在する物体(立体)をコンピュータの画面上(平面上)に描きます。
実際に写真を撮ったようなコンピュータグラフィックをゲームなどでよく見かけますが、そんなレベルの高いことはやりません。



「ワイヤフレーム」という、物体の頂点を針金で結んで描いた図形をコンピュータの描きます。
これを実現するには、中学校で学ぶ「三角形の相似」の知識が必須。
学んだ知識を、テストの問題を解くために使うだけでなく、現実の社会の中で活用することを中学生に学んでもらい、夏休みの自由研究とします。
また、指導する浜工生は専門知識の価値を再認識していくことが、この浜工ラボ基礎編のねらいです。

SSH全国発表会(神戸) 結果発表

 

SSH全国発表会の3日目は、代表校による全体発表と表彰式でした。

 

ポスター発表賞や奨励賞など様々な賞がありましたが、残念ながら浜工はいずれの賞も獲得するには至りませんでした。

開発したアプリケーションの実用性を高めることに集中した結果、その後の検証まで手が回らなかったことが敗因です。

 

教育系の研究なので、検証の機会(授業を行う場所、人、日程)を確保することが生徒だけでは難しく、渡航から半年の中で全て盛り込むことができませんでした。

ただ、これはどちらかというと指導教員の力不足で、生徒たちは限られた日程の中で最善を尽くしたと思います。

全国の名だたる優秀な学校が集う地に来ることができたことは、良い経験になりました。

 

次の活動はお世話になっている静岡大学主催の研究発表会の予定です。

それまでになんとか検証のためのデータ収集を行いたいと思います。あと少し、SSH指定校の名に恥じない活動ができるよう、努力していきます。

 

 

SSH全国発表会(神戸)

SSH海外研修班の活動もいよいよ大詰め。
現在、生徒たちは8/6(火)~8(木)にかけて実施されている、SSH指定校が集う全国発表会にてポスター発表を行っています。
SSH指定校として日々研鑽を積んでいる全国200校が集まる大会だけあって、非常に興味深く熱量の感じられるポスターばかりです。

 

本校は、先日行ったプログラミング教室の内容を盛り込んだ発表を行いました。
もちろん、生徒たちが開発したプログラミング教育支援アプリケーション「Uuring」に関しても、実際に会場に展示し、来場者の方々に試用して頂きました。

 

 

生徒同士の質疑応答も活発に行われており、非常に良い経験ができています。

本日7日の発表が評価されたわずかな学校だけが、明日行われる代表校によるライブ配信発表に進むことになります。
全国を見渡しても工業高校のSSH指定経験校はたった数校のみ。その中でも第3期まで進んでいるのはおそらく浜工のみです。
その誇りと責任感をもって、精一杯この1日を過ごしていきたいと思います。

 

SSH海外研修メンバーによる中学生向けプログラミング教室

 

昨年度に引き続き、SSH海外研修メンバーによる中学生向けプログラミング教室を開催しました。(昨年度の様子はこちら←

今年度は研究活動として開発を進めているプログラミング教育支援アプリケーション「Uuring」を用いて授業を行うことができました。

  

 

このアプリケーションはエストニアに渡航して学んだことを盛り込んでいます。

プログラミングを学びたい人が誰でも、いつでも取り組めるようにWebアプリケーションをとして開発し、問題の採点もプログラムで自動化

教員や保護者からは生徒の学習状況を参照できるようにすることで、業務の円滑化家庭からの教育活動への寄与を促すようにしています。

  

 

 

昨年度は6時間かけて実施した内容を4時間にまとめることができ、なによりも参加してくれた中学生が開発したアプリケーションを楽しそうに使ってくれたことが自信に繋がりました。

引率の中学校の技術の先生にも、同じアプリケーションを使いながら、教員用アカウントで参加した生徒さんの学習状況も確認する流れも体験して頂きました。

  

 

 

ここで得られたフィードバックを基にして、更なる改良を進めていきます。

参加して頂いた中学生の皆様、ありがとうございました。

海外研修参加メンバーが静岡大学の野口先生よりご指導頂きました

 

アプリケーションの開発も進んできたところで、静岡大学情報学部の野口准教授から再びご指導を頂きました。

研究について助言を頂くのは今回で3回目になります。

 

 

今回は開発したアプリケーションについて、具体的なアドバイスを頂くことができました。

実装することに意識が向き過ぎてしまい、エストニアを訪れて学んだことを反映しきれていない点をご指摘頂きました。

 

お忙しい中のご指導、ありがとうございました。

この後の予定としては、研究発表への参加が7月・8月・11月、開発したアプリケーションの実証実験を7月に実施していきます。

 

浜工の取組

研究開発のテーマ

鍛え抜かれた実践力と科学に基づく創造力で、世界をリードする最先端科学技術者の育成

 

研究開発の取組

○ RACE学習スパイラルの実践

 工業高校では、科学的な知識が未熟な段階から、実験実習などの体験を通して「実感Realize」することで学び、数学や理科などの共通教科での知識の深まりによる「分析Analyze」から洞察力を高め、問題解決への「着想Conceive」する力を知らず知らずの間に身につけてきた。 
 SSHでは、更に着想した問題解決を「評価Evaluate」するRACE学習スパイラルを体系化し、実践することで、生じるさまざまな問題に果敢に立ち向かう、鍛え抜かれた実践力の育成をめいざします。 

 RACE学習スパイラルの実践を実践するために、RACE学習ノート導入。ノートに記録する際、R 、A、C、Eのカテゴリに分けて記載。これによって、RACE学習スパイラルを体系化し実践。さらに将来のポートフォリオを目指し、デジタル版のRACE学習ノートも開発。

(RACE学習ノートの表示)

 

 

○クロスカリキュラムの実践

 クロスカ リキュラムとは、特定のテーマに関係するいくつかの教科・領域を相互に関連付けて学習するカリキュラムである。クロスカリキュラムを図ることで、生徒は、関連される各教科・領域の授業を通して、それぞれの授業で用いられる多様な教材とかかわりながら学んでいく。

・教科間クロスカリキュラムの実践

 各学科で実施される専門教科の内容を、数学や理科などの共通科目の観点から検証し、工業、数学、理科、情報を融合することで、興味・関心を高め、柔軟な思考力を育成して、科学に基づく創造力を高める教材の開発を進める。

これらの教材を管理するサーバーを構築し、工業教科だけでなく共通教科でも閲覧可能にし活用する。

 

日々の授業の内容を公開

https://alumni.hamako-ths.ed.jp/~ssh

・学科間クロスカリキュラムの実践

 各学科の3年次で行われている「課題研究」において、学科間での設備の共用を可能にし、他学科の教員が生徒への指導・助言を可能にするため、「課題研究」の時間がそろった時間割の開発をする。

 

・学校間クロスカリキュラムの実践

 明確な目標意識を持ち、将来、世界をリードする科学技術者を目指している生徒を対象に、部活動などの場を利用して2年次から「課題研究」に取り組むことを通して、世界をリードする科学技術者(Top Engineer)を育成(Development)する仕組みとして、TEDプログラムを開発する。

  取組あたって、大学企業の協力をいただき研究を進め、最終的には外部の研究発表会やコンテストで研究発表を実施する。

3年次の早い時期での研究成果の発表や交流が可能となり、研究を深めるとともに進路指導等にも活かすことができる。

 また、部活動の場を利用してテーマ開発をすることにより、学年や授業の枠を越え、自由に予備実験や討論を行うことにより、生徒が持っている潜在的な能力を引き出すことができる。

 

○ 開拓型海外研修の実践

(プログラミング教育の研究:イギリス)

 生徒自らの興味・関心をもとに世界中で溢れている情報を精査し、生徒自ら海外研修を企画・提案することにより、情報を活用する能力を育成し、交流先等を自ら積極的に開拓し、世界を舞台として活躍できる国際性の高い科学技術者の育成する。

次年度に実施する開拓型海外研修について、1年生を対象に説明会を実施し、以下のような手順で、実施する海外研修の企画を決定する。

(説明会)

企画書作成

(書類審査)

交流先の開拓

(コンペ)

交流先との調整

(ヒアリング)

実施企画決定

書類審査を通過した企画は、顧問教員を付け、顧問の指導の下、具体的な交流先の開拓等を進める。