SSH-NEWS
SSH浜工ラボ【基礎】「立体を平面上に再現する」
今年度からSSH3期目(1期=5年間)がはじまりました。
SSHは、文科省が全国で先進的な理数教育に取り組んでいる約200校を指定して、これから新しい理数教育の研究開発をするものです。
浜工の3期目の目玉の一つが「浜工ラボ」。
浜工は言わずと知れた工業高校。
SSHでは純粋に工業高校と呼ばれる学校は、浜工と京都工学院だけ。
あとは各地区を代表する進学校(普通高校)ばかり。
浜工ラボでは、普通高校にはない工業高校ならではの特色を活かした取組です。
浜工には8つの学科があり、それぞれに専門的な機材がそろっています。
そして、それを指導する教員、それを使いこなす生徒がいます。
他校にはない人材、機材を活用した研究交流を進めようというのが「浜工ラボ」なのです。
その第1弾として、「浜工ラボ基礎編」を実施しました。
この基礎編では、浜工8つの学科で取り組まれている基本的な学習内容をもとに、中学生へ自由研究の場を提供しようという取組です。
まずは、「立体を平面上に再現する」と題して実施した情報技術科での浜工ラボ基礎編を紹介します。
簡単に言えば、コンピュータグラフィックスです。
空間に存在する物体(立体)をコンピュータの画面上(平面上)に描きます。
実際に写真を撮ったようなコンピュータグラフィックをゲームなどでよく見かけますが、そんなレベルの高いことはやりません。
「ワイヤフレーム」という、物体の頂点を針金で結んで描いた図形をコンピュータの描きます。
これを実現するには、中学校で学ぶ「三角形の相似」の知識が必須。
学んだ知識を、テストの問題を解くために使うだけでなく、現実の社会の中で活用することを中学生に学んでもらい、夏休みの自由研究とします。
また、指導する浜工生は専門知識の価値を再認識していくことが、この浜工ラボ基礎編のねらいです。
SSH全国発表会(神戸) 結果発表
SSH全国発表会の3日目は、代表校による全体発表と表彰式でした。
ポスター発表賞や奨励賞など様々な賞がありましたが、残念ながら浜工はいずれの賞も獲得するには至りませんでした。
開発したアプリケーションの実用性を高めることに集中した結果、その後の検証まで手が回らなかったことが敗因です。
教育系の研究なので、検証の機会(授業を行う場所、人、日程)を確保することが生徒だけでは難しく、渡航から半年の中で全て盛り込むことができませんでした。
ただ、これはどちらかというと指導教員の力不足で、生徒たちは限られた日程の中で最善を尽くしたと思います。
全国の名だたる優秀な学校が集う地に来ることができたことは、良い経験になりました。
次の活動はお世話になっている静岡大学主催の研究発表会の予定です。
それまでになんとか検証のためのデータ収集を行いたいと思います。あと少し、SSH指定校の名に恥じない活動ができるよう、努力していきます。
SSH全国発表会(神戸)
SSH海外研修班の活動もいよいよ大詰め。
現在、生徒たちは8/6(火)~8(木)にかけて実施されている、SSH指定校が集う全国発表会にてポスター発表を行っています。
SSH指定校として日々研鑽を積んでいる全国200校が集まる大会だけあって、非常に興味深く熱量の感じられるポスターばかりです。
本校は、先日行ったプログラミング教室の内容を盛り込んだ発表を行いました。
もちろん、生徒たちが開発したプログラミング教育支援アプリケーション「Uuring」に関しても、実際に会場に展示し、来場者の方々に試用して頂きました。
生徒同士の質疑応答も活発に行われており、非常に良い経験ができています。
本日7日の発表が評価されたわずかな学校だけが、明日行われる代表校によるライブ配信発表に進むことになります。
全国を見渡しても工業高校のSSH指定経験校はたった数校のみ。その中でも第3期まで進んでいるのはおそらく浜工のみです。
その誇りと責任感をもって、精一杯この1日を過ごしていきたいと思います。
SSH海外研修メンバーによる中学生向けプログラミング教室
昨年度に引き続き、SSH海外研修メンバーによる中学生向けプログラミング教室を開催しました。(昨年度の様子はこちら←)
今年度は研究活動として開発を進めているプログラミング教育支援アプリケーション「Uuring」を用いて授業を行うことができました。
このアプリケーションはエストニアに渡航して学んだことを盛り込んでいます。
プログラミングを学びたい人が誰でも、いつでも取り組めるようにWebアプリケーションをとして開発し、問題の採点もプログラムで自動化。
教員や保護者からは生徒の学習状況を参照できるようにすることで、業務の円滑化と家庭からの教育活動への寄与を促すようにしています。
昨年度は6時間かけて実施した内容を4時間にまとめることができ、なによりも参加してくれた中学生が開発したアプリケーションを楽しそうに使ってくれたことが自信に繋がりました。
引率の中学校の技術の先生にも、同じアプリケーションを使いながら、教員用アカウントで参加した生徒さんの学習状況も確認する流れも体験して頂きました。
ここで得られたフィードバックを基にして、更なる改良を進めていきます。
参加して頂いた中学生の皆様、ありがとうございました。
海外研修参加メンバーが静岡大学の野口先生よりご指導頂きました
アプリケーションの開発も進んできたところで、静岡大学情報学部の野口准教授から再びご指導を頂きました。
研究について助言を頂くのは今回で3回目になります。
今回は開発したアプリケーションについて、具体的なアドバイスを頂くことができました。
実装することに意識が向き過ぎてしまい、エストニアを訪れて学んだことを反映しきれていない点をご指摘頂きました。
お忙しい中のご指導、ありがとうございました。
この後の予定としては、研究発表への参加が7月・8月・11月、開発したアプリケーションの実証実験を7月に実施していきます。