理数工学科
海外の大学にて、英語で研究発表をしてきました
現・理数工学科3年生の生徒が【静岡大学 未来の科学者養成スクール(通称FSS)2024年度海外派遣研修】の代表者に選抜され、令和7年3月23日(日)~29日(土)にかけて、海外の大学で研究発表等を行ってきました。
発表内容は、令和6年12月に浜工と同じSSH指定校となっている京都工学院高校にて行われた第3回理工展で発表してきたもの(詳細はこちらから)を英語にし、さらにそこへ情報処理部で研究を進めてきた決定木プラスチック分別装置の内容を同じく英語で盛り込んだものとなっています。
本人談では、浜工入学時には「英語が全ての教科の中で一番苦手で、今後も英語の力が伸びるとは思わない。」と言い切っていたものですが・・・
日本人に対して日本語で説明するのですら難しい内容であるにも関わらず、全ての発表や現地学生との質疑応答を見事に英語でやり遂げてきました。
浜工の理数工学科で2年間を過ごし、海外修学旅行や、工業技術英語という授業の核となっている【科学英語】などに取り組んでいく中で、苦手な英語を克服し、よくぞここまで成長してくれたものだと、感慨深い思いでいっぱいであります。
さて、主な行き先は、インドネシアのスラバヤにあるペトラ・クリスチャン大学です。
3/24(月)の現地時間9:00頃にスラバヤに着き、市街視察を行ったり、大学訪問をしながら発表の準備をしました。
3/25(火)には、実際にペトラクリスチャン大学にて、英語で研究発表をし、その質疑応答も英語で行いました。
また、現地大学生との交流をしたり、ペトラクリスチャン大学の研究室を訪問したりしました。
大学での活動を終え、翌3/26(水)にはPT. Parimas社というインドネシアにあるIT企業へ訪問し、インターンシップとして1日研修を受けました。
研究内容を実用化していく段階になると高度なIT技術が必要とされることもあり、ヒントとなるアイディアを求めて、専門的かつ発展的なIT技術についても英語で質問したようです。
3/27(木)にはブロモ山という火山地域を見学し、ワークショップを行った後、シンガポールへと移動しました。
最終日となる3/28(金)には、シンガポールにある南洋工科大学を訪問してきました。
非常に貴重な経験を積むことができ、本人も自信がついたようです。
これから最終学年となる高校3年生としての生活が始まりますが、将来世界で活躍する技術者になるべく、日々精進していってくれることでしょう。
今後も、浜工の理数工学科では、理科や数学の学習に加えて、科学的研究を英語で発表できるよう、英語学習にも力を入れて取り組んでいきます。
理数工学科国公立大学合格者
祝合格! 令和7年3月24日現在
国公立大学に15名の生徒が合格しました!
(50%の生徒が国公立大学に合格)
静岡大学(情報学部)2名
静岡大学(工学部)5名
静岡県立大学(経営情報学部)
豊橋技術科学大学(工学部)2名
奈良教育大学(教育)
会津大学(コンピューター理工学部)
公立諏訪東京理科大学(工)
下関市立大学(経済)
尾道市立大学(経済情報)
令和6年度高校生海外インターンシップ研修成果報告会
高校生海外インターンシップは静岡県教育委員会が主催となって、静岡県内の高校生の中から選ばれた10名前後が参加している企画です。
本校からは理数工学科の2年生が代表メンバーに選出され、8月に台湾山葉機車工業様(通称YMT)を訪問し、海外就労体験をしてきました。
なお、事前研修として、磐田市にあるヤマハ発動機株式会社様にて研修を受けさせていただきました。
そして本日3/19(水)、終業式に先駆けて、高校生海外インターンシップ研修とSSH台湾研修の合同報告会が行われました。
理数工学科からは海外インターンシップ研修、SSH台湾研修ともに生徒が参加し、今年度の浜工の海外研修を牽引してきました。
*諸事情により、一部画像を加工しております。
成果報告会では、同じ日本企業であっても工場がある国によって働き方等に違いがあること、海外勤務をしている日本人社員と現地社員との職務上の関係、海外勤務をしている方々の本音の気持ち、他校の生徒との交流から得た学び、などが発表されました。
浜松市は「やらまいか」という言葉に象徴されるチャレンジ精神と、江戸時代の紡織産業・製材業を皮切りに連綿と続く産業集積により、多くの世界に冠たる企業が生まれている工業都市です。(浜松市HPより引用)
浜工は、そんな日本を代表する「ものづくりのまち浜松」における各種製造業の技能職を担う人材を数多く輩出してきた伝統ある学校です。
海外勤務をしている浜工OB・OGが多いこともあり、未来のものづくりを支えていくであろう在校生たちは、自分の社会的役割と照らし合わせながら報告を真剣に聞いていました。
また、理数工学科では将来高等教育(大学における専門的な学び)を受け、地元浜松市を中心とした技術職を担っていくことのできる人材の育成を目指しています。
発表をした生徒は海外インターンシップに参加したことで、これまでは日本国内で技術者として働くことを想像していたのが、海外勤務という道があるということを知り、自分の将来の視野が広がったようです。
高校卒業後の進路としてはまず大学進学を目指していますが、世界で活躍する技術者になりたいという決意を胸に、今後の高校生活を送りたいとのことでした。
夢を実現できる確かな学力を身につけられるよう、浜工として、理数工学科として、本気でがんばる生徒たちを応援していきます。
2年生進路講話・保護者進学説明会
1月31日(金)に代々木ゼミナールの方を講師に迎え、進路講話を行いました。
大学受験のしくみから、今後の勉強の仕方についてまで詳しくお話しをしてくださいました。
合格に必要な学力は、「基礎力」と「応用力」のバランスが大切であることを、カレーライスに例えて分かりやすく説明していました。毎日の授業が基盤となり、学力が積み重なっていくことがあらためて確認できる機会であり、これから受験に向けて刺激となるお話しを聞くことができました。
放課後には、保護者に向けての進学説明会があり、年々変化している大学受験についても知ることができたと思います。
3年生合格体験発表会
1月27日(月)LHRで、大学受験に合格した理数工学科3年生3名が1・2年生に自らの受験体験を発表しました。
その中では、成功体験とともに、入試に向けた準備や勉強方法、高校時代に取り組んできたことや日頃心掛けてきたことなどの話しもあり、1・2年生にとってとても刺激になるお話しでした。
発表生徒
左から
内山冴宇さん(会津大学コンピューター理工学部)
天野結喜さん(静岡大学情報学部)
久米柚嘉さん(静岡県立大学経営情報学部)
SSH成果報告会
12月18日(火)にアクトシティ大ホールで3年生の課題研究の成果発表がありました。
理数工学科から、建築班の「日本における地震対策の研究~日本版サヴォア邸の製作を通して~」の発表がありました。
日本で地震対策をした上でサヴォア邸本来の美しさを保つ方法を、模型を製作しながら研究を行った成果が報告されました。
研究発表者 上島翔大さん、内山結斗さん、中村元さん、竹内健人さん
第63回全国高等学校生徒英作文コンテスト 入選
第63回全国高等学校生徒英作文コンテストへ、理数工学科に所属する2年生1名が作品を応募し、見事入選を果たしました。
今年度、全部門・全国で唯一1人だけ工業高校生の作品が入選することとなりました。
全国高等学校生徒英作文コンテストは昭和37年度から続いており、文部科学省後援の日本最大級の英作文コンテストです。
令和6年度の2~3年生の部では、"Why do I study English in the age of AI?" というタイトルで英作文を書くことになっております。
これに対し、日常生活の中で関わりのある外国人との会話の中で、「なんで日本人は毎日疲れたって言うの?」と聞かれたことについて、書いていくことにしました。
最初は今話題の会話型生成系AIに聞いてみたところ、「お疲れ様」を "Good job." と英訳され、納得いきませんでした。
そこで、彼女の中で「疲れる」→「お疲れ様」→「ねぎらいのことば」→「ねぎらい」→「リスペクト」と変換していき、英語圏でも相手の仕事をねぎらう文化がないか探しました。
すると、"fist bumping" (日本語ではグータッチと呼ばれるもの)がそれに最も近いあいさつだと考え、その方に英語で「お疲れ様とfist bumpingの類似性」を説明し、それをきっかけに、2人は別れ際の挨拶として "fist bumping" しながら「お疲れ様」と言うようになりました。
このように文化を越えて柔軟な発想をし、異なる文化同士を結び付けて新たな習慣を作り出していくことは人間特有の性質であるため、自分自身で英語を学ぶ必要がある、と英語でまとめて作品にしました。
*海外には、オバマ元大統領が清掃スタッフにねぎらいの意味で "fist bumping" をしたように、お互いの立場や上下関係を問わず、相手に対して敬意を示し、"Respect." と言いながら "fist bumping" をする文化があります。
日本語の「お疲れさまでした」も、お互いの立場を超えて声を掛け合う様子から、"fist bumping" と「お疲れ様のあいさつ」を同様のものと見なした、とのことです。
「お疲れさま」は日本特有の文化の1つだと思っていましたが(日本に来るALTもそのように考えているようで、それにならってあいさつをすることが多いです)、彼女の柔軟なアイディアには驚かされました。
元々は、マレーシア修学旅行に行く際に英語を使うことになるので、その練習になると良いな、という動機で英作文コンテストに挑戦したようですが、見事に作品が入選したことで、英語学習のモチベーションにもつながったようです。
2月に行われるSSHの一大イベントである海外研修のメンバーにも選ばれていますが、そこでも浜工で鍛え上げた英語力を発揮したいと意気込んでおります。
ぜひとも、持ち前の英語力を見せて、海外研修でも良い経験を積んできてほしいですね。
理工展にて発表してきました(於:京都工学院高校)
12月18日、京都市立京都工学院高等学校にて第3回理工展が行われました。
浜工からは理数工学科の2年生がゲスト発表するということで、情報技術科の同じく2年生に手伝ってもらいながら、京都工学院高校へ行ってきました。
浜工は全国初の工業高校としてのSSH(スーパーサイエンスハイスクール)に指定され、今年度で第3期目に入りました。
京都工学院高校もSSHに指定され、学校を挙げて研究成果を発表している中、本校の生徒も参加させてもらった形です。
プラスチックのリサイクルを進めていく上で、産業廃棄物となる各種の配線に焦点を当てました。
中の銅線は100%近くリサイクルされているのに対し、その周りを包む被膜の部分がリサイクルされずにそのままゴミとして処理されているのを何とかしたい、という狙いとのことです。
被膜の多くがPVCとPEで作られていることに着目し、PVCとPEの分別ができる機械を作る研究を進めてきました。
1年生の時は、テラヘルツ派を使った測定をしてプラスチックの分別をしようと研究していましたが、テラヘルツの測定器やそれを感知するセンサー類がまだ現実的な面で実用化されていないというハード面の壁にあたっていました。
そこで、赤外線と決定木ツリーをうまく組み合わせて、これまでにない新しいシステムを作ろうと研究しています。
また、京都工学院生から「ホワイトボックスAIにした理由はなんですか?」という鋭い質問があり、技術的な課題から今自分たちでも扱い切れるプログラミングにした、と返答しつつ、一緒に来た情報技術科の生徒がニューラルネットワークを用いたディープラーニングについて、質問をした京都工学院生と熱い議論を交わしておりました。
その会話を横で聞きながら、情報教育の進歩の凄さに感心しておりました。
学科の枠だけでなく、学校の枠も超えた異分野交流をすることができて、本当に良い経験となりました。
この後は、2月の国際シンポジウムでの発表を目指して、この研究を英語で発表できるように練習を重ねていく予定です。
今後の益々の成長が楽しみです。
マレーシア修学旅行 3日目
修学旅行の3日目は、午前中はマレーシアプトラ大学( Universiti Putra Malaysia )にてCELIK研修を実施、午後はB&Sプログラムを実施しました。
プトラ大学では、浜工での生活や浜松市について英語でプレゼンテーションを行いました。
機材トラブルや互換性の問題があり、用意したスライドがうまく表示されないトラブルもありましたが、トラブルが起きた上で、その場のアドリブで乗り切る英語力と胆力を発揮しました。
その後、プトラ大学生と一緒に日本とマレーシアの文化的な違いについて英語でディスカッションし、話し合った内容をまとめて英語で発表しました。
昼食も用意していただき、マレーシアの郷土料理をマレーシア様式でいただくという異文化体験を行うこともできました。
午後には、B&Sプログラムという、現地の大学生と一緒にクアラルンプールを「ジャランジャラン(散策)」する研修を行いました。
一緒に行動する大学生は特別日本語を学習しているわけではないため、コミュニケーションには英語が必須です。
修学旅行の日程中、ずっと英語でコミュニケーションをしなければならない時間が続いてきましたが、3日目の午後ともなると、それにもすっかりと慣れていたようです。
自分たちの話す英語がきちんと外国の方にも通じたという成功体験を通して、生徒たちは自分の英語力に自信を持ったと同時に、もっとスムーズに、スマートに英語を話せるようになりたい、と早くも次の目標を定めていました。
理数工学科では、大人になってからどんなにお金をかけても体験することのできないような修学旅行のプランづくりをしてきました。
そして実際に色々な方々との出会いを通じて、生徒たちが人間的に大きく成長することができたと実感しております。
明日は日本に帰国します。
また来週から通常の高校生活が再開しますが、今回の経験をもとに、新たに自分の進路選択と向き合い、進路実現に向けて心機一転取り組んでくれることを期待します。
マレーシア修学旅行 2日目
本日はマレーシアでは珍しい朝からスコールが降りました。
朝にマレーシア王宮へ行き、記念写真を撮る予定だったのですが、これでは無理だろうと諦めかけていたのですが・・・
「雨こそ東南アジアの自然です!雨の中で写真を撮ってこそのマレーシア修学旅行です!」
との生徒たっての強い希望もあり、予定通りマレーシア王宮へ立ち寄ることにしてみました。
するとなんと、雨がこの一瞬だけ弱まり、奇跡的に集合写真を撮ることができました。
まるで彼らの熱意を天が聞いてくれたかのようでした。
その後、本日の目的地であるローランドマニュファクチュアリングマレーシアにて、工場見学を実施しました。
ローランド株式会社で働いている浜工OBも多く、他にも色々なご縁と繋がりがあり、今年もマレーシア工場見学を実施していただけることとなりました。
多くの方々のご協力をいただきまして、本当にありがたいことです。
そして、ローランドのスタッフの方の熱意が生徒たちにも伝わったようでした。
午前中は、マレーシアの方に英語で工場について見学しながら説明をしていただきました。
浜工のALTはイギリス出身であるため、アジア圏の英語を聞くのはほとんどの生徒にとって初めてのことです。
子音や母音の種類や発音が異なり、英単語の読み方も普段よく聞くイギリス英語とは異なり、戸惑いもあったことと思います。
ですが、何を話しているか自分から英語を聞きに行こうとする積極性を見せ、真剣に説明を聞いて、内容を理解することができていたようです。
昼食としてマレー料理をご馳走になった後、午後はマレーシア人スタッフとマレーシアに駐在している日本人スタッフの方を交えたディスカッションを行いました。
60分間と十分な時間があったように思えたのですが、制限時間になってもまだまだ話し合いが盛り上がっており、司会の方に中断していただく必要があった程でした。
最後に全体から代表質問がいくつかあった中には、「エンジニアとして自信作となる新製品を作り出した後に、さらに次の製品を生み出そうとする原動力は何ですか?」というものがありました。
企業秘密もあり、ここでその内容を書くことはなかなかできませんが、プロフェッショナルのエンジニアとして働く方々から、自分の仕事に対する矜持を見せていただくことができました。
おかげで、世界で活躍する人材になるために最も必要な心意義を教えていただくことができた研修となりました。
また、今回の研修を通じて、浜工の輪の広さと強さを実感することができました。
そして何より、ローランドマニュファクチュアリングマレーシアで働いている方々から、次の世代に対する深い愛情と、夢を託す気持ちを強く感じることができました。
頂戴したお言葉の中に「若さこそ財産」というものがありましたが、いずれ彼らも次の世代に「若さこそ財産」と伝える日が来ます。
その時に、今回受けたご恩や愛情、そして託された夢を、彼らもまた次の世代に託すことができるような大人に成長していることを願って止みません。
そのためにもまずは、浜工プライドを持って自分の仕事に取り組むことができる人物に成長してくれることを期待します。
明日は、プトラ大学での交流とB&Sプログラムを実施します。
アジアで勤勉に努力している若者との交流で得られる刺激があります。
明日も良い出会いが待っていることでしょう。