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2023年8月の記事一覧

SuperCon 2023 結果発表・閉会式

夏の電脳甲子園「 Supercomputing Contest  2023」 の本選が終了しました。

8月21日(月)~24日(木)の4日間にわたり、スーパーコンピュータ「富岳」を用いた熱い戦いが繰り広げられました。入賞したのは以下の3チームです。高校名横の秒数は、与えられた課題の解が得られるまでにかかった計算時間です。

 

1位 KMB76  灘高等学校 1.85秒
2位 honyanya 開成高等学 6.43秒
3位 prism   筑波大学附属駒場高等学校 6.60秒

 

 1位の灘高等学校のKMB76の計算時間は驚異的な速さで、他チームを圧倒しての優勝でした。灘高校は3年連続の優勝です。

 

 このチームのプログラムは、メモリアクセスの制約を回避するために、小さなブロックに分割して並列ソートをしたり、探索範囲の枝刈りを行ったりと、考え得るほとんどの方法を盛り込んだ舌を巻くものでした。

 

本選出場の生徒達は、世界最速のスーパーコンピュータの1つである「富岳」といえども、その性能を発揮するには、いかにハードウェアの特性を生かすプログラムを作れるかが重要であることが、この大会を通して実感できたと思います。

 

本校の2チームはどうだったかというと、閉会式で発表された正式記録は3位まででしたので、最終結果はまだ分かりません。

 

各校の記録は後日送られてくるとのことですが、記録がつくのはサンプルプログラムの性能を上回ったチームのみで、計算時間が概ね20秒以下の10位までになるようです。

 

本校の2チームはどちらも15秒前後、4位と5位のチームの計算時間は10秒を切っているそうなので、本校はおそらく6~10位になると思われます。(8/28 最終結果が届きました。10秒台前半のチームが団子状態で、結局本校のTAG3は11位、nullは12位でした。)いずれにしても、入賞チームには遠く及びませんので、まだまだ精進が必要なようです。

 

  とはいえ、今大会の本選出場を果たしたのは、出場枠20チームに満たない18チームだけでした。これは、予選応募全チームの中で予選課題を正解できたチームが18チームだけであったからだそうです。有名進学校が居並ぶこの18チームの中に、本校の2チームが入っているということは誇れることだと思います。本校も過去、優勝、準優勝の経験もあるだけに、来年は是非リベンジを果たしてもらいたいものです。

 

 なお、今回の本選問題は、「最近点追探索」を行うものでした。詳細はこちらを参照して下さい。

 

  閉会式後は、協賛企業が提供する景品のあみだくじによる抽選会が行われました。本校のチームTAG3の3人は「富岳」の先代機にあたる「京」の「手ぬぐい」を引きあてました。 

閉会式と抽選会
 

 

SuperCon2023 本選の競技が終了しました

今日は、Supreconputing Contest 2023 本選4日目です。

13:00 をもって本選競技が終了し、両チームとも課題プログラムを無事提出することができました。15:00 までに、課題プログラムのレポート提出も終わり、あとは明日の結果発表を待つばかりです。

今回の本選問題は、「最近点対探索」でした。

【問題概要】

番号の付いた点がランダムに分布している2次元空間において、これらの点の中で最も距離の近いペアを見つける問題です。

近傍探索は様々な物理シミュレーションで粒子の相互作用を計算するときに用いられます。例えば、分子同士の相互作用やクーロン力、重力などの計算です。これらのシミュレーションでは、近傍の粒子同士の計算は厳密に行い、遠方の粒子同士の計算は近似的に行うため、近傍の粒子を特定する必要があります。

素朴なアルゴリズムでこのペアを見つけようとすると、 N 個の点に対してN2 にほぼ比例するような計算の手間を要します。N が大変大きくなると膨大な計算時間を要するため、これをいかに効率よく見つける方法を考えなければならないわけです。

 

課題プログラムのレポート作成中
     
チーム null    チーム TAG3

 

 両チームとも、とりあえず解が得られるプログラムは完成できたようですが、手応えはどうだったでしょうか?感想を聞いてみました。
 
チーム null(内田、小林、杉山)

浜工のスパコン(Sudume)を使うことで、競技時間外であってもプログラムを実行することができ、作成しているソースコードの精度を試すことができたのでよかったです。また、細かいところまでみれば、もう少し高速化できた気がします。
サンプルコードが配布されていたので少し戸惑いましたが、できることはやれました。1,2日目に徹夜で作った基数ソートと二分探索木がボツになったのは悲しかったです。
新しい事に挑戦し、さらに新しい知識を得ることができたのでよかったです。通常の競技プログラミングとは傾向が違っていたので戸惑いましたが、無事完成させるすることができたのでよかったです。

チーム TAG3(天野、内山、中村)

問題文が短いにもかかわらず非常に難しかった。スパコン「富岳」を使えて、良い経験になりました。
長い時間、チームと協力して問題を解くという特別な体験を通して、プログラミング力だけでなく集中力や忍耐力も成長できました。
世界に誇る富岳の性能を引き出すには、想像以上に大変で、現実の厳しさを知しました。
何日もかけて、同じ問題を解くのは初めてだったので、大変でした。

 

結果は明日の表彰式・閉会式(Zoomでのオンライン)で発表されます。
【日時】2023年8月25日(金)14:00~16:00

 

SuperCon2023本選2日目

今日は、Supreconputing Contest 2023 本選2日目です。

大会規則上、まだ問題は公開できませんが、両チームとも、富岳の性能を引き出すための並列化とデータ構造の改良に取り組んでいます。

今のところ、チームTAG3は順調に改良が進んでいるようです。

一方のチームnullは、まだ納得のいくプログラムには至らないようです。

富岳が使えるのは残り1日半、最後まで粘り強く頑張ってくれることを期待しましょう。

     
両チームとも問題の考察、議論を重ねプログラムの改良に取り組んでいます。

 

SuperCon2023本選が始まりました

Supercomputing Contest 2023 の本選が始まりました。
 
今日から5日間(8月21日(月)~25日(金))にわたり、全国から予選を勝ち抜いた 18チーム が熱い頭脳戦を繰り広げることになります。 本選は、オンラインで理化学研究所の世界一のスーパーコンピュータ「富岳」を使⽤して行われます。

本校からは昨年に引き続き、情報処理部の2チームが出場します。本校は13年連続の本選出場で、2チームが出場するのは今回で11回目です。また、全員が2年生なのは今回が初めてになります。

出場チームのメンバーは、以下の通りです。

チーム null 内田侑希(情報技術科2年)、小林昊一郎(情報技術科2年)、杉山雄哉(理数工学科2年)
チーム TAG3 天野結喜(理数工学科2年)、内山冴宇(理数工学科2年)、中村俊太(理数工学科2年) 

 
チームnull   チームTAG3

 大会初日の様子

9:00より開会式が開催されました。その後、午前中はオリエンテーションが行われ、本選課題、スーパーコンピュータ「富岳」の使用方法、並列処理に必要なOpneMPやMPIの説明などを受けました。

昼食後、13:00から「富岳」へ接続するための設定をチームメンバー各自が行いました。少々接続に手間取ったメンバーもいましたが、無事全員が接続できました。

テストプログラムの作成・実行を試した後、両チームとも本選課題のプログラムに取りかかっています。

本選課題のプログラム作成は完成したプログラムの提出締め切りは大会4日目(8/24(木))の13:00です。
なお、最終日(8/25(金))は結果発表と表彰式となります。