概要

 スーパーサイエンスハイスクール(SSH)とは
 高等学校等において、先進的な理数教育を実施するとともに、高大接続の在り方について大学との共同研究や、国際性を育むための取組を推進します。また創造性、独創性を高める指導方法、教材の開発等の取組を実施します。

国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)より)

 本校では、平成25年度より文科省より指定を受け、SSH校として研究活動に取り組んでいます。

年度 研究開発課題
 R06-R10  Ⅲ期目 「令和の日本型学校教育」における、これからの工業高校の在り方を示す先駆的な研究
 H31-R05 Ⅱ期目  鍛え抜かれた実践力と科学に基づく創造力で、世界をリードする最先端科学技術者の育成 
 H30   経過措置 

世界に羽ばたく科学技術者の育成に向けた教育課程の開発

―数学・理科教育と工業教育との融合並びに国際化に向けた取組― 

 H25-H29  Ⅰ期目

 

 報告書などはこちらをご覧ください。

NEWS

SSH-NEWS

令和7年度SSH海外研修報告~マレーシア

令和8年2月2日(月)~2月7日(土)4泊6日 

本校では、平成25年度にスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受けて以来、生徒の国際感覚を養う機会として海外研修を実施してきました。令和7年度の研修では、マレーシア(マラッカおよびクアラルンプール)を訪問し、生徒たちは国内で行ってきた研究内容をさらに発展させるための活動に取り組みました。

 滞在1日目は、マラッカでの活動を行いました。マラッカはクアラルンプールの南に位置し、古い時代のマレーシアの面影を感じることができる街です。ポルトガル、オランダ、イギリスなどによる植民地支配の歴史があり、建造物にも各時代の特色が色濃く残されていました。

 建物や建材について研究している生徒は、「マレーシア建築博物館」や「マラッカ・スルタン・パレス(王宮博物館)」などの見学を通して、熱帯雨林気候と建築との関係、時代背景、建築様式などについて興味深く調査していました。また、オランダ統治時代の街並みを今に伝えるオランダ広場やセントポール教会なども見学しました。

 送電関係を研究している生徒は、街中にある電柱や送電線、配電盤などを観察し、日本との違いを記録していました。その後も、市内散策やバス移動の途中など、さまざまな場面で、電気設備を継続的に観察し、マレーシアの電力事情について調査を進めていました。

マレーシア建築博物館マラッカ・スルタン・パレス(王宮博物館)

オランダ広場建築物にある電気設備

 滞在2日目はクアラルンプールへ移動し、日系企業である「ローランド マニュファクチュアリング マレーシア社」を訪問して工場見学を行いました。日系企業が海外の環境にどのように適応し、現地で製品を生産しているのかを知る貴重な機会となりました。現地エンジニアによる説明は英語で行われ、生徒たちは集中して説明を聞き、英語学習の重要性を実感していました。また、多国籍・多宗教の従業員に対応した企業の取り組みに触れたことも、生徒たちがグローバルな視点を養ううえで良い刺激となりました。

現地エンジニアの説明①現地エンジニアの説明②

社員の皆さんとのディスカッション集合写真

 滞在3日目は、マレーシア工科大学(UTM)内にあるマレーシア日本国際工科院(MJIIT)を訪問しました。MJIITは、「マレーシアにおいて日本型の工学教育を行う学術機関」としてマレーシア政府によって設立され、多くの日本の国立大学が参画しています。

 大学では、マレーシア建築に関する講義や、音・音響・波動に関する講義を受講しました。講義は英語で行われたため、生徒たちはここでも集中して聞き取ろうとする姿勢を見せていました。

 音響や遮音に関する研究を行っている生徒は、講義内容をある程度理解できたようで、今後の研究の基礎として活用できる貴重な学びとなりました。

 また、マレーシア建築に関する講義の後には、フィールドワークとして市内散策を行いました。「スルタン・アブドゥル・サマド・ビル」や「ムルデカ広場」などを見学しながら、現地教員による英語での説明を受け、マレーシア建築への理解を深めていました。

マレーシア日本国際工科院(MJIIT)講義風景①

講義風景②フィールドワーク①

フィールドワーク②スルタン・アブドゥル・サマド・ビル

集合写真集合写真②

  滞在4日目、最終日は、「マレーシアの秋葉原」とも呼ばれる電気街、PUDU地区のパサール通りも見学し、現地の街の雰囲気を体験しました。

 この他にも、マレーシアには中華系住民も多く、中華系の寺院も数多く存在しており、多民族・多宗教国家であるマレーシアを体感する貴重な機会となりました。

PUDU地区のパサール通り

 今回の研修を通して、生徒たちは日本では得ることのできない貴重な経験を積むことができました。これからの時代において、グローバルな視点や考え方は、卒業後の進路選択に役立つだけでなく、国際社会で活躍するための大きな力になると考えられます。今回の経験を今後の学習や研究活動に生かし、より充実した高校生活につなげていってほしいと思います。

研修報告書

SSHマレーシア研修研究報告書1.pdf

SSHマレーシア研修研究報告書 2.pdf

SSHマレーシア研修研究報告書3.pdf

 



令和6年度SSH海外研修~台湾

令和7年2月11日(火)~令和7年2月15日(土)(4泊5日)

 本校では、SSH海外研修として、毎年各自で研究を行い、そのテーマに沿って現地で研修を行ってきます。第Ⅲ期目の目標でもある学科の枠を超えて一緒に台湾研修に参加することにより、異なる学年や学科の生徒との研究交流を行うことを期待しています。今年は、2年生5人、1年生5人がSSH台湾研修に参加しました。

1日目 

 新竹科学園区(新竹サイエンスパーク)

 台湾のシリコンバレーとして様々な企業が集まっている新竹科学園区で研修を行いました。 

新竹科学園区(新竹サイエンスパーク)

2日目 

 921地震教育園区

 この場所は、1999年9月21日に発生した、「921台湾地震」による被害を受けた建物を、当時と変わらないまま保存している施設です。震災遺構で施設研修を行い、地震の影響と耐震構造の在り方について現地調査を行い、耐震(免振)構造について生徒研究を行いました。

921地震教育園区921地震教育園区.JPG

 沙鹿工業高級中等学校訪問

 台湾台中市にある本校の姉妹校である台中市立沙鹿工業高級中等学校を訪問しました。英語で学校紹介を行い、現地の学生の英語の授業に参加しました。施設見学では、最先端の産業ロボットなどが実際に稼働しているのを見学することができました。化学の授業では、姉妹校の学生と一緒にビール型キャンドルを作る実験を体験しました。交流の中で、姉妹校が環境教育に力を入れていて、ゴミ削減の取組みを行っていることを知りました。

沙鹿工業高級中等学校(学校紹介)沙鹿工業高級中等学校(学校紹介).JPG

沙鹿工業高級中等学校(授業参加).JPG沙鹿工業高級中等学校(交流)

沙鹿工業高級中等学校(実験).JPG

沙鹿工業高級中等学校(授業参加)沙鹿工業高級中等学校(授業参加)

3日目 企業訪問

 朝陽電装股份有限公司・台湾山葉機車股份有限公司

 地元企業の朝日電送株式会社の現地法人、朝陽電装股份有限公司新竹工場と、地元企業のヤマハ発動機株式会社の現地法人、台湾山葉機車工業股份有限公司新竹工場を訪問しました。工場見学を通じて国内工場との相違点を知り、生産工程や工場管理について理解を深めました。また、現地従業員との交流では、海外勤務などに関することや、生徒研究テーマに関することなどの意見交換を行いました。

 海外赴任に求められる資質では、英語が重要なのはもちろんですが、相手を理解しようとするコミュニケーション能力が一番大切とのことでした。また、積極的に物事に取り組み、ポジティブに考える力も大切というお話しを聞くことができました。

朝陽電装股份有限公司朝陽電装股份有限公司

台湾山葉機車股份有限公司

4日目 

 台北101

 耐震(免振)構造の生徒研究の一環として、台湾を代表する超高層建築である台北101の制震技術について、建物の上部に設けられた実際の装置を調査し、地震に対応する台湾の先端技術の取り組みを学びました。

台北101

生徒研究テーマの一部

「揺れを超え、明日へ。~台湾と日本の住宅の耐震性~」

 台湾と日本の住宅の建築様式の違いについて、耐震性の観点から研究

 「光害への対策」

 街灯の光がどのくらいの範囲に届くのが、機能性と環境への配慮を考えた際に有効か調べ、環境に優しく、省エネになるライトを研究

 「エネルギーの変換効率」

 風力発電の羽の形状の違いによる発電量の違いを測定し、羽の形状について研究

 「色と世界」

 色と国の関係について理解を深め、台湾と日本を比較し、目的や対象にあったデザインを提案

 「キノコの分解作用について」

 キノコで家庭ゴミを再利用し、ゴミの削減と再生可能エネルギーによる循環型社会の実現について研究

 「ミルワームと環境保全」

 プラスチックを分解するといわれているミルワームを利用して、環境に負担をかけずに、プラごみを処分する方法を研究

 



SSH浜工ラボ【基礎】「立体を平面上に再現する」

今年度からSSH3期目(1期=5年間)がはじまりました。
SSHは、文科省が全国で先進的な理数教育に取り組んでいる約200校を指定して、これから新しい理数教育の研究開発をするものです。

浜工の3期目の目玉の一つが「浜工ラボ」。
浜工は言わずと知れた工業高校。
SSHでは純粋に工業高校と呼ばれる学校は、浜工と京都工学院だけ。
あとは各地区を代表する進学校(普通高校)ばかり。

浜工ラボでは、普通高校にはない工業高校ならではの特色を活かした取組です。
浜工には8つの学科があり、それぞれに専門的な機材がそろっています。
そして、それを指導する教員、それを使いこなす生徒がいます。
他校にはない人材、機材を活用した研究交流を進めようというのが「浜工ラボ」なのです。

その第1弾として、「浜工ラボ基礎編」を実施しました。
この基礎編では、浜工8つの学科で取り組まれている基本的な学習内容をもとに、中学生へ自由研究の場を提供しようという取組です。

まずは、「立体を平面上に再現する」と題して実施した情報技術科での浜工ラボ基礎編を紹介します。
簡単に言えば、コンピュータグラフィックスです。
空間に存在する物体(立体)をコンピュータの画面上(平面上)に描きます。
実際に写真を撮ったようなコンピュータグラフィックをゲームなどでよく見かけますが、そんなレベルの高いことはやりません。



「ワイヤフレーム」という、物体の頂点を針金で結んで描いた図形をコンピュータの描きます。
これを実現するには、中学校で学ぶ「三角形の相似」の知識が必須。
学んだ知識を、テストの問題を解くために使うだけでなく、現実の社会の中で活用することを中学生に学んでもらい、夏休みの自由研究とします。
また、指導する浜工生は専門知識の価値を再認識していくことが、この浜工ラボ基礎編のねらいです。



SSH全国発表会(神戸) 結果発表

 

SSH全国発表会の3日目は、代表校による全体発表と表彰式でした。

 

ポスター発表賞や奨励賞など様々な賞がありましたが、残念ながら浜工はいずれの賞も獲得するには至りませんでした。

開発したアプリケーションの実用性を高めることに集中した結果、その後の検証まで手が回らなかったことが敗因です。

 

教育系の研究なので、検証の機会(授業を行う場所、人、日程)を確保することが生徒だけでは難しく、渡航から半年の中で全て盛り込むことができませんでした。

ただ、これはどちらかというと指導教員の力不足で、生徒たちは限られた日程の中で最善を尽くしたと思います。

全国の名だたる優秀な学校が集う地に来ることができたことは、良い経験になりました。

 

次の活動はお世話になっている静岡大学主催の研究発表会の予定です。

それまでになんとか検証のためのデータ収集を行いたいと思います。あと少し、SSH指定校の名に恥じない活動ができるよう、努力していきます。

 

 



SSH全国発表会(神戸)

SSH海外研修班の活動もいよいよ大詰め。
現在、生徒たちは8/6(火)~8(木)にかけて実施されている、SSH指定校が集う全国発表会にてポスター発表を行っています。
SSH指定校として日々研鑽を積んでいる全国200校が集まる大会だけあって、非常に興味深く熱量の感じられるポスターばかりです。

 

本校は、先日行ったプログラミング教室の内容を盛り込んだ発表を行いました。
もちろん、生徒たちが開発したプログラミング教育支援アプリケーション「Uuring」に関しても、実際に会場に展示し、来場者の方々に試用して頂きました。

 

 

生徒同士の質疑応答も活発に行われており、非常に良い経験ができています。

本日7日の発表が評価されたわずかな学校だけが、明日行われる代表校によるライブ配信発表に進むことになります。
全国を見渡しても工業高校のSSH指定経験校はたった数校のみ。その中でも第3期まで進んでいるのはおそらく浜工のみです。
その誇りと責任感をもって、精一杯この1日を過ごしていきたいと思います。

 



浜工の取組

研究開発のテーマ

鍛え抜かれた実践力と科学に基づく創造力で、世界をリードする最先端科学技術者の育成

 

研究開発の取組

○ RACE学習スパイラルの実践

 工業高校では、科学的な知識が未熟な段階から、実験実習などの体験を通して「実感Realize」することで学び、数学や理科などの共通教科での知識の深まりによる「分析Analyze」から洞察力を高め、問題解決への「着想Conceive」する力を知らず知らずの間に身につけてきた。 
 SSHでは、更に着想した問題解決を「評価Evaluate」するRACE学習スパイラルを体系化し、実践することで、生じるさまざまな問題に果敢に立ち向かう、鍛え抜かれた実践力の育成をめいざします。 

 RACE学習スパイラルの実践を実践するために、RACE学習ノート導入。ノートに記録する際、R 、A、C、Eのカテゴリに分けて記載。これによって、RACE学習スパイラルを体系化し実践。さらに将来のポートフォリオを目指し、デジタル版のRACE学習ノートも開発。

(RACE学習ノートの表示)

 

 

○クロスカリキュラムの実践

 クロスカ リキュラムとは、特定のテーマに関係するいくつかの教科・領域を相互に関連付けて学習するカリキュラムである。クロスカリキュラムを図ることで、生徒は、関連される各教科・領域の授業を通して、それぞれの授業で用いられる多様な教材とかかわりながら学んでいく。

・教科間クロスカリキュラムの実践

 各学科で実施される専門教科の内容を、数学や理科などの共通科目の観点から検証し、工業、数学、理科、情報を融合することで、興味・関心を高め、柔軟な思考力を育成して、科学に基づく創造力を高める教材の開発を進める。

これらの教材を管理するサーバーを構築し、工業教科だけでなく共通教科でも閲覧可能にし活用する。

 

日々の授業の内容を公開

https://alumni.hamako-ths.ed.jp/~ssh

・学科間クロスカリキュラムの実践

 各学科の3年次で行われている「課題研究」において、学科間での設備の共用を可能にし、他学科の教員が生徒への指導・助言を可能にするため、「課題研究」の時間がそろった時間割の開発をする。

 

・学校間クロスカリキュラムの実践

 明確な目標意識を持ち、将来、世界をリードする科学技術者を目指している生徒を対象に、部活動などの場を利用して2年次から「課題研究」に取り組むことを通して、世界をリードする科学技術者(Top Engineer)を育成(Development)する仕組みとして、TEDプログラムを開発する。

  取組あたって、大学企業の協力をいただき研究を進め、最終的には外部の研究発表会やコンテストで研究発表を実施する。

3年次の早い時期での研究成果の発表や交流が可能となり、研究を深めるとともに進路指導等にも活かすことができる。

 また、部活動の場を利用してテーマ開発をすることにより、学年や授業の枠を越え、自由に予備実験や討論を行うことにより、生徒が持っている潜在的な能力を引き出すことができる。

 

○ 開拓型海外研修の実践

(プログラミング教育の研究:イギリス)

 生徒自らの興味・関心をもとに世界中で溢れている情報を精査し、生徒自ら海外研修を企画・提案することにより、情報を活用する能力を育成し、交流先等を自ら積極的に開拓し、世界を舞台として活躍できる国際性の高い科学技術者の育成する。

次年度に実施する開拓型海外研修について、1年生を対象に説明会を実施し、以下のような手順で、実施する海外研修の企画を決定する。

(説明会)

企画書作成

(書類審査)

交流先の開拓

(コンペ)

交流先との調整

(ヒアリング)

実施企画決定

書類審査を通過した企画は、顧問教員を付け、顧問の指導の下、具体的な交流先の開拓等を進める。