活動の記録

 情報技術科

【SSH】海外研修1日目(出発前~到着)

 

先日、約1週間に渡るエストニアでの海外研修が無事終了しました。

 

 

 

 

99%の手続き(結婚や不動産の売買以外の全て)が電子化されている世界最高のIT国家でありながら、中世の街並みを残すエストニア

日本では決して知名度が高い国ではありませんが、1週間の滞在では足りないほど非常に興味深く、美しい国でした。

 

まずは出発前~到着(2日目朝)までの研修の様子を紹介します。

 

出発前は校長先生に参加メンバー4名が抱負を述べました。

全員海外自体が初経験かつ行先が極寒の北欧の地ということで、まずは体調を崩さずに1週間乗り切ること。

そして現地の方々との交流を積極的に行い、情報についての学びを深めたいということでした。

校長先生からは浜工生の代表として是非頑張ってきて欲しいとメッセージを頂きました。

 

そしていよいよ当日、浜松駅から羽田空港まで新幹線で行き、まずはフィンランドのヘルシンキへ

ロシアの上空を旋回し、北極を通過して13時間のフライトになります。

 

 

そこから飛行機の乗り換えをし、目的地であるエストニアの首都タリンへ

 

入国審査などなど含めておよそ24時間もの移動時間を費やし、やっとの思いで到着しましたが、時差が約7時間なので現地では朝8時。

そのままウレミステ地区での研修に入りました。

 

今回の研修の主な訪問先は

  • ウレミステ地区
  • Clevon社(Clevon Academy)
  • タルトゥ大学
  • ヤーン・ポスカ高校
  • 在エストニア日本大使館

です。

また、この研修を通して世界最高のIT国家に触れながら、我々の最終目標である「日本のプログラミング教育を支援するアプリケーションの開発についての研究発表を行い、意見を頂くこと」が重要な目的となります。また、現地の公用語はエストニア語ですが、ほぼすべての人が英語を話せるため、現地でのコミュニケーションは基本英語。語学についても実際に異なる言語を使う貴重なチャンスです。

 

次は、2日目の様子をお届けします。

 



【SSH】渡航に向けた英会話指導

 

世界最高のIT国家・エストニアへの渡航まで残り4日

本日は、夏季休暇に引き続き、英語科の桶田先生とALTのジョージ先生に英会話指導をして頂きました。

これまで英会話以外にも、各訪問先への依頼書を英語で作成する等の活動を行ってきました。

  

エストニアの公用語はエストニア語ですが、9割以上の方が英語で会話ができる国(高校段階で第3外国語まで学ぶそうです)。

渡航後、通訳の方が常に同行する訳ではないので、おのずと英語を使わざるを得ない場面が出てきます

 

  

もちろん、訪問先での研究発表も英語なので、PowerPointの資料も英語版に。その指導もして頂きました。

 

英語も道具と同じで実際に使わないと身につきません。

そういった場面をしっかりと学びの場とする為にも、可能な限りの準備をして行きます。



【授業紹介】L3スイッチ実習 ネットワーク技術(3年・選択)

 

例年よりも時間数に余裕があったので、今年は毎年恒例のトラブルシューティング実習(→過去記事)が終わった後にL3スイッチ実習を行いました。

  

実は、生徒達がネットワーク技術の授業内でL3スイッチを扱うのは初めてのことです。

というのも、本授業では通信の仕組みを基礎から確実に理解するために、敢えて実社会で広く使われる通信技術(L3スイッチやWi-Fi等の無線通信)ではなく古典的な通信技術(リピータハブやL2スイッチ)を用いているからです。

 

今回は2台のL3スイッチを用いて、2台にまたがる3つのVLAN(仮想的なLAN)を構築し、各VLAN同士の通信とインターネット接続ができるように設定を行いました。

実際の現場を想定して、ネットワーク構成図を示した上で説明書を渡しただけで実習開始。DHCP、DNS、ルーティング、ポートVLAN、タグVLAN、様々な知識が求められますが、作業手順等は一切示さずに、今までに学んだ知識と説明書に書いていることだけで通信の実現を目指します。

  

さすがに今日の1時間だけでは終わらなかったので、木曜日の5・6限に持ち越し。

3年生最後のネットワーク技術の授業、社会に出てからも大丈夫だと自信をもつ為にも、居残りなしで清々しく終えたいところです。

 



【SSH】Shizuoka Tankyu Collection にてポスター発表を行いました

 

1/21(日)にグランヒルズ静岡で開催されたShizuoka Tankyu Colletcion→公式サイト)。

高校生のための高校生による高校生のイベントということで、運営に多くの学生が関わり、各高校の特色を活かした様々な出し物(食品の販売やダンス・ファッションショー等)が行われました。

 

その中で行われた研究発表の部門で、本校のSSH海外研修班がポスター発表を行いました。今回は部活動の関係で2名での参加となりました。

 

 

 

開発中のアプリケーションをタブレットで例示する等、前回の静岡大学での発表よりも具体性をもって話をすることができました。

また、教員ではなく、一般の参加者の方からの質問に答える等、普段できない経験もでき良い勉強になりました。

 

世界最高のIT先進国・エストニアへの渡航まで残り2週間

質疑応答の時間で深まった知見をもとに、準備を進めていきます。



進路体験発表会

 

3年生が後輩に向けて自分の進路選択について話をする進路体験発表会が行われました。

 

 

どのようにして就職・進学先を決定したか、いつから・どんな形で対策を行ったか、自分の体験をもとに就職6名・進学4名の3年生が話をしました。

十人十色の経験談でしたが、自分で進路室に通って情報を集めることや、自分の興味のある分野の活動に積極的に参加すること等、考えたり悩んだりするだけではなく、実際に行動を起こすことが重要であることは共通して肌で感じていたようでした。

 

まだまだ先だと思っていると、あっという間に目の前に迫ってくるのが進路というもの。各々ができることを日々少しずつ積み重ねていきます。



【快挙】応用情報技術者試験(AP) 1名合格!

 

IPA主催の国家資格・応用情報技術者試験にEi科から合格者が出ました。なんと2年生での合格です。

(公式ページ:https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/ap.html

  

佐々木晴都(情報技術科2年・知的制御研究部)

 

応用技術者試験(AP)は、基本情報技術者試験(FE)のワンランク上の国家資格です。

基本情報技術者試験は「ITエンジニアの登竜門」とも呼ばれる試験で、社会人が受験しても、合格率は全体で平均して25%前後。

そしてその合格者達がチャレンジをしても、これもまた25%前後しか合格できない非常に狭き門なのがこの応用情報技術者試験です

 

浜松工業高校からも過去合格者は出ていますが、2年生での合格はまさしく快挙。

せっかくなので合格者の声を少し聞いてみました。

 


Q  試験対策はいつから、どのようにして行ったか?

ー 試験の半年くらい前から勉強をスタートしました。しかし、夏休み前までは学校の課題などに追われまともに勉強することができませんでした。夏休みはそれを挽回すべく、毎日数時間ずつ勉強をしました。用いた参考書は日高哲郎氏著の「情報処理教科書 応用情報技術者テキスト&問題集」です。その参考書を何周も読みました。ただ単語と意味を一対一で覚えるのではなく、周辺の知識までしっかり押さえたつもりです。

大体参考書を3周精読したあたりから応用情報技術者試験.comというサイトで過去問演習を行いました。午後試験は過去問をIPA公式からダウンロードして5~6回分くらいやって対策しました。

 

Q 一番大変だったことは何か?

ー 基本情報も応用情報もアルファベット三文字の用語が多く、覚えるのが大変でした。特にネットワークの分野が覚えにくい上に頻出だったので大変でした。

 

Q 最後に一言

ー 応用情報の上に高度試験というものがいくつかあるのですが、それは大学生になったら取りたいと思っています。そのために今年と来年は受験勉強に全力で集中し、必ず第一志望合格をつかみ取りたいです。 


ネットワークに関する専門的な授業は3年次にある為、単語に対するイメージが持ちにくく苦戦したようですが、丸暗記ではなく周辺知識も含めて勉強することで定着を図ったようです。

 

今年度より、基本情報技術者試験が年2回だけの実施から、毎月受験可能になりました。

その影響もあり、今年の2年生は今学期での挑戦を見据え、多くの生徒が各自勉強を進めています。

高校生のうちに、自分の成長のために「プラスα」ができる時間を捻出し、日々の積み重ねで目標を達成する経験を是非して欲しいと思います。



【授業紹介】研究発表会 課題研究(3年・必修)

自分でテーマを設定し、今まで学んできた知識や技術を総動員して探究活動を行っていく課題研究。

その総まとめの発表会を、3日間に渡って行いました。

 

情報技術科の課題研究は2年次からテーマ設定を行い、3年次から活動を開始。基本的に1人1テーマです。

スライドを用いて発表し、その後に生徒・教員からの質疑応答という流れで行いました。

 

 

また、2日目は2年生が見学をしました。2年生向けの発表会を務めた生徒のテーマを簡単に紹介します。

鈴木大地「複雑な図形の単純化」

  

 

読み込ませた図形の概形を認識して、それを簡略化したものを自動で生成するアルゴリズムを考え、プログラムを作成しました。

作成したプログラムを実際に動作させると様々な問題点が浮かび上がってきましたが、一つ一つ対策を考えてプログラムを修正することができました。

 

平川心菜「MASを用いた感染症拡大シミュレーションの実装」

  

 

Google Colaboratoryというサービス をローカル環境で正しく動作するように移植しました。

それを用いて感染症拡大のシミュレーションを行い、得られた結果から考察を行いました。

 

堀内 陽「画像生成AIを用いた画像修正」

  

 

Stable Diffusionという画像生成AIを用いて実際に画像を生成し、そこで出た課題点を修正できないか試行錯誤しました。

 

鈴木莉名「自立制御ロボットの製作」

  

 

複数人で協働して自立制御ロボットを制作し、高校生のロボット大会に出場しました。

残念ながら大会では負けてしまいましたが、失敗の要因を推測し、修正案を考えることができました。

 

松下竜之「食堂の空席表示」

  

 

どうしても給食の時に混雑してしまう食堂。

空席が一目で分かれば便利ではないかと考え、Raspberrypiという小型コンピュータとカメラを用いて人体の自動検出を試みました。

実用化には至りませんでしたが、光の強さなどの外的要因の影響を受けないシステムを構築することがいかに難しいか、体感することができました。

 

2年生に発表する緊張から解放された生徒達。立派な発表でした。

是非2年生も自分なりのテーマを見つけ、1年間向き合って欲しいと思います。

 

 



【SSH】海外研修 前エストニア日本国大使より講話を頂きました

 

世界最高のIT国家・エストニアへの渡航まで残り3週間。

その事前研修として、前エストニア日本国大使を務められた北岡元(はじめ)様より、ご講話を頂きました。

生徒たちが自分たちの研究についての発表を行った後、北岡様からの講話、質疑応答という流れで進めました。

  

 

 

外務省や大学での勤務経験のある北岡様の講話は非常に興味深いもので、1時間という時間があっという間に感じるほどでした。

講義は概ね

国の歴史は、地理的な要因の上に成り立つ(平坦なエストニア領土は他国から狙われやすく、他国から占領された過去がある。その爪痕が残る状態から国力を回復させるために国家のデジタル化を図った)

国家のデジタル化には、国民の信頼が必要不可欠である(エストニアはどのようにして国民の信頼を勝ち取ったか?)

エストニアのグローバル企業と政府、成功の要因は?(過去の教訓を活かした)

エストニア人の国民性(日本人に近い勤勉な気質をもっている)

 といった内容をお話し頂きました。

 

始めは少し緊張した様子の生徒達でしたが、質疑応答をする頃には終了時刻を超過するほどの熱量をもって質問ができるようになりました。

今回の講話によって、エストニアが単純にIT化を推し進めただけの国ではなく、国家としての再興を賭けてデジタル化を推し進め、苦難もありつつも着実に成果を上げていった背景を理解することができました。これにより、本研修がただのIT研修ではなく、その国に根付くフィロソフィー(哲学や理念)の部分も生徒達は感じることができるようになものになったと思います。特に 少ないリソースから最大限の成果を挙げるというエストニアの考え方は、少子化の進むこれからの日本にまさしく必要不可欠なものです。

 

北岡様、お忙しい中のご指導、誠にありがとうございました。

ならびに、北岡様との仲介を日本・エストニア友好協会(→公式サイト)の荒井様に御協力頂きました。ありがとうございました。

 

 

 

次の活動は、21日に静岡市で開催されるShizuoka Tankyu Collection→公式サイト)でのポスター発表です。

浜松工業高校の代表として海外研修に参加する自覚をもって自分たちの学びを深めるのはもちろんのこと、そこで得た学びをしっかりと校内外に還元していきたいと思います。

 



【授業紹介】C言語 プログラミング技術(1年・必修)

 

1年生のC言語の学習が12月よりスタートしました。

C言語はプログラミング言語の中でも最もポピュラーな言語の一つです。

 

しかし、コンピュータの仕組みを正しく理解していないと、真に効率の良いプログラムを書くことはできません

そこで、本校では1年次においていきなりC言語を学習するのではなく、まずはアセンブリ言語とPAD図を学び、その上でC言語の学習に入ります。

これにより、メモリがどのように使われるか、データがどのように格納されているか等をイメージを持ちながらプログラムを作ることができます。

 

初回の授業では、C言語をコーディングするためのツールとしてVS Codeのセッティングを行い、簡単なプログラムの作成と実行を行いました。

 

 



【授業紹介】グループプログラミング実習 放課後の様子 実習(2年・必修)

 

放課後に残ってグループプログラミング実習に取り組んでいる生徒達の様子です。

(詳しい授業内容についてはこちら → ①グルプロ授業 ②グルプロ発表会

 

もちろん、各々部活動に所属をしているので、うまく折り合いをつけながらうまくスケジュール管理をしていく必要があります。

ちなみに写真に、写っているグループは3名が運動部に所属しています。

 

 

取り組んでいる生徒の画面を共有してもらいました↓

 

誰がどのように編集したか等はGit(画面左側)でバージョン管理をします。

(画面をよく見てみると、希望が見えてきたlineED.hという表示名が… 努力の跡が垣間見えます)

右側にはコーディングの画面です。巨大なプログラムになるので、仕様をしっかりとコメントに残して共通認識を持ちながら作業を進めていきます。

 

生徒と話をしていると、冬休みはグループプログラミングや基本情報技術者試験の対策をしたいという声がちらほらと。

休みはしっかりと取りつつも、是非冬休みを有意義に使って欲しいと思います。



【授業紹介】グループプログラミング 発表会 実習(2年・必修)

 

先日、1・2年生の集大成となるグループプログラミング実習について紹介しました(前回の記事は→こちら)。

完成を目指すのは対話型のテキストエディタ(入力されたコマンドに応じてテキストの削除や追加を行うプログラム)。

生徒達は実社会での開発現場に近い形複数人でチームを組んで開発を行う・数千行にも及ぶプログラムを制作する・納期が決まっている・制作を依頼された時点では仕様が決まっていない)で開発を1か月進めてきました。

 

今日はその発表会が行われました。

 

 

 

どのようなスケジュールを組んだか、どのようなデータ構造にしたか、どのように仕様書を解釈したか、どんな機能を追加したか、各グループでスライドを制作して説明をします。

 

そして、発表の後はいよいよ自分たちが実装したテキストエディタのお披露目です。

今回開発を行ったテキストエディタはコマンドで動作するもので、例えば下に10行カーソル(ポインタ)を動かす場合は「10j」と入力し、文字を追加する場合は「a」と入力します。

教員の指示に従いながらコマンドを入力していき、使いやすさやバグの有無を確認していきます。

   

しっかりと実装できている部分もあれば、開発したテキストエディタで空のファイルを読み込むと謎の文字があったり、特定のシチュエーションになるとテキストが全て消えてしまったり…

想定外のバグが起こると笑いが起きつつも(実際の開発現場では笑いでは済みませんが…)、すぐに生徒同士で「~が原因じゃない?」と話し合いが始まります。

 

最後に、発覚したバグや不具合などを1週間以内に修正し、プログラムを提出(納品)することで本実習は終了となります。

生徒達からは

「計画を余裕をもって組んで開発を進めることで、多少遅れが出てしまったメンバーがいてもチーム全体でカバーすることができた」 

「開発を進めている途中で外部仕様を変更してしまうと他の部分にも影響が出てしまうので、開発前によく話し合って慎重に決定することが重要だと感じた」

「完成して達成感を味わうことができた」

「開発を進めていくためにはコーディング能力だけでなく、コミュニケーション能力も重要だと感じた」

「不具合に気づいても、自分が担当ではない部分のプログラムが原因だったりして、複数人で開発することの難しさを感じた」

等の感想があり、日々授業で学んでいることの大切さを再認識できたようです。

 

残りのグループの発表は年明けです。

冬休みの中でどれだけ自分たちで開発を進めるか、チームワークとリーダーのスケジュール管理能力が求められます。



【授業紹介】国家資格にチャレンジ 工業情報数理(1年・必修)

 

本日は工業情報数理の授業で基本情報技術者試験の問題にチャレンジしました。

 

工業情報数理は、情報分野に関する基礎知識を学ぶ教科です。

1年生はこれまでに、コンピュータの基本的な構成から始まり、2進数や16進数の計算・論理回路等について学習をしてきました。

その中で、単元ごとの振り返りも兼ねて、「ITエンジニアの登竜門」と呼ばれる基本情報技術者試験→公式サイト)の問題にもチャレンジをしています。

 

最近試験の制度が変わり、年2回(4月・10月)しか受験のチャンスがなかったのが年間通して随時受験できるようになりました。

よって、1年生でも冬季以降の努力次第で十分に合格できるチャンスができたと言えます。

 

合格率30%以下の国家資格と聞くと高校生には難しいように思えますが、過去の先輩方は1学年につき何人も合格者を出しています。

時間を有効活用し、地道な努力ができる人間を目指して努力を重ねていきます。

 

 



【授業紹介】グループプログラミングに挑戦 実習(2年・必修)

 

ついにこの時がやってきました。

2年生がグループプログラミング実習に取り組んでいます。

  

 

授業でプログラミングを学ぶ場合、自分一人でコンピュータに向かい、コードを書いたり問題を解いたりするのが基本です。

しかし、実社会でプログラム開発を行う場合、複数人で協働して一つのプロジェクトを進めていくことがほとんどです。

 

そこで、本校の情報技術科では実社会でも通用するプログラマを目指して、1グループ4~5名の生徒が協力しながら、約3000~5000行にも及ぶ大規模なプログラム(実社会で動くプログラムに比べればまだまだ小さな規模ですが、高校生にとっては未知の世界)の制作に挑むグループプログラミング実習を実施しています。

 

プログラミングに馴染みのない方からすると、一人でプログラミングを行うことと、複数人でプログラミングを行うことの違いにいまいちピンと来ないかもしれませんが、この2つは全くといっていいほどに別物です。

 

イメージとしては、一つの小説を一人で書くか、複数人で書くかぐらいの違いがあります。複数人で書けば、その分負担は軽減されますが、登場人物の設定や表現、ストーリーなどにズレが生じ、最悪の場合は物語として成立しなくなってしまいます。

プログラミングも同じで、複数人で制作を行う場合、データの入れ物である変数や配列、制御構造に対して共通理解をした上でプログラミングを行っていかなければ、エラーやバグだらけのプログラムになってしまいます。さらに、プログラムは後から仕様が追加されて書き直しが必要になったり、機能を追加しなければならなくなったりすることがほとんどなので、その点も考慮して美しく、堅牢なコードを書いていく必要があります。

 

ただ、この「実社会では複数人で協働してプログラミングを行う」という前提をしっかりと踏まえた上で、本校のプログラミングの授業は計画されています。

与えられた課題に対していきなりプログラムを作り始めるのではなく、要求を徐々に詳細化・具体化して整理してから開発を行う段階的詳細化の考え方。

複雑なシステムを「モジュール(部品)」の集合体として捉えて開発を行い、変更があった場合に全体を修正するのではなく必要最小限の部分だけ修正をすれば済むように開発を進めるモジュール化の考え方。

 

これらについては既習の内容です。この実習では、これまでに学んだ知識と日々の課題で培った経験を総動員して、プログラムを制作していきます。

 

今回 、完成を目指すのは簡易的なテキストエディタです。特定のコマンドを入力したときに、与えられた文章に対して文字の追加や行の削除等を行うソフトウェアの実装を行います。

 

 

開発はGitを用いてしっかりとバージョン管理を行い、実装を担当する範囲やスケジュールも自分たちで調整します。そして、約1か月に及ぶ制作期間を経た後、制作したプログラムの発表会を行う予定です。本日はGitの説明と課題の説明、グループ分けを行いました。

 

 

これまで学んできた内容がどれだけ活かせるか、情報技術者として自分がどれだけ成長できているか、ここが試金石になります。

 



【SSH】静岡大学主催 探究・情報コンテストにてポスター発表を行いました

 

静岡大学浜松キャンパスで行われた「高校生探究・情報コンテスト」海外研修のメンバーが参加しました。

修学旅行の出発前日という日程でしたが、参加メンバーにとっては非常に実りのある1日となりました。

 

公式サイトはこちら←

 

参加者は高校生のみですが、静岡大学浜松キャンパスの「テクノフェスタ」が開催される中での実施となりましたので、一般の方をはじめ様々な方に発表を聞いていただくことができました

発表はポスター形式で行われ、自分たちの研究を見つめ直すきっかけとなったことはもちろんのこと、他校の生徒との交流もすることができ、良い刺激となりました。

 

 

発表を聞いた方のコメントとしては、

・訪問先であるエストニアのIT事情がここまで先進的だとは知らなかった

・データのみならず、アンケートやインタビューなどの裏付けがしっかりとできている

といったものを頂きました。

 

 

残念ながら賞を取ることはできませんでした(奨励賞まであと一歩でした)が、今回の発表を糧に、これから2月の渡航に向けて不足している部分を詰めていきます。

今年は計画段階での発表となりましたが、来年度は研修実施後の発表を行い、リベンジを果たしたいと思います。

 



【SSH】中学生向けプログラミング教室

 

海外研修に参加するメンバーによる中学生向けプログラミング教室が、三日間に渡り開催されました。

 

今年の海外研修はプログラミング教育をテーマに研究活動を進めています。

今回は渡航前の事前活動ということで小規模で実施をし、渡航後に学んだことを活かしてより大きな規模でプログラミング教室を実施をする予定です。

 

1日目:フローチャートなどプログラミングの基礎

プログラミングの基礎となるフローチャートやコードの書き方について学習してもらいました。

  

 

2日目:繰り返しや配列

少し応用的な内容に取り組んでもらいました。短い時間の中で配列について理解することは、教える側にとっても、教わる側にとっても難しかったようです。

  

 

3日目:演習「信号機の製作」

ハードウェア(マイコン) との連携を行い、3色のLEDの点灯制御を行い信号機を再現しました。この小さな基板がコンピュータであることを聞いたときに非常に驚いている様子で、思い通りにLEDを制御できたときには喜びの声があがっていました。

  

 

授業計画や授業で使うプリント等、全てを一から生徒達が準備したこともあり、予定していた内容を全て消化することはできませんでしたが、それも含めて良い経験になりました。

天候が優れない中での開催にも関わらずご参加頂きました天竜中の皆さん、ありがとうございました。


この後海外研修に参加するメンバーは、夏休み後半から英会話の指導を受けながら、11月に参加する研究発表会への準備を進めていきます。
学校の代表として参加する自覚をもち、テストや行事を言い訳にすることなく、少しずつ積み重ねていきます。



【SSH】海外研修参加メンバーが静岡大学の野口先生よりご指導頂きました

 

SSH(スーパー・サイエンス・ハイスクール)の取組の一環として海外研修に参加する情報技術科2年のメンバーが、静岡大学・情報学部の野口准教授より研究内容についてのご指導を頂きました。

研究テーマはプログラミング教育で、世界最高峰のIT先進国に渡航する予定で計画を立てています

 

現在、8月に実施する中学生向けのプログラミング教室で使用する教材の開発を進めており、現状の成果と課題を野口先生に発表しました。

野口先生には、海外研修への参加グループを決める選考会の時にもご指導頂いており、生徒達が大学の先生の指摘の鋭さや発想の豊かさに直接触れることができ非常に良い経験となっていると感じます。

 

お忙しい中のご指導、誠にありがとうございました。

自分たちの海外研修のために多くの方々が尽力して頂いていることに感謝し、それに報いることができるよう、より一層研究活動に勤しんでいきます。



基本情報技術者試験(FE) 2名合格!

 

IPA主催の国家資格・基本情報技術者試験にEi科から2名の合格者が出ました。

(公式ページ:https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/fe.html

 

内田 侑希(情報技術科2年・情報処理部)

佐々木晴都(情報技術科2年・知的制御研究部)

 

基本情報技術者試験は「ITエンジニアの登竜門」とも呼ばれる試験で、情報に関する分野から幅広く出題がされます。

受験者比率はおよそ学生3割・社会人7割、合格率は全体で平均して25%前後

 

今回は受験形式が変更された初月ということで合格率が高かったようですが、それを差し引いても高校生にとっては生易しいものではありません。

授業や部活動の合間を縫って、1年次の春休み前から着々と準備を進めた努力が実を結ぶ形となりました。

 

更に上のランクの試験である応用情報技術者試験(AP)も十分射程圏内なので、是非今後も頑張って欲しいと思います。

 



情報技術科3年生 会社見学・大学見学

6月6日(火)情報技術科の3年生が会社見学と大学見学へ行ってきました。

見学したのは「株式会社アイシン」と「豊橋技術科学大学」です。

アイシンでは、会社概要の説明を受けた後、主に「アイシン学園」を見学しました。アイシン学園はものづくりの現場で活躍するリーダーを養成する企業内訓練校です。

見学終了後、学園修了後の配属先や取得しておくと良い資格、寮生活、女性のの割合や仕事内容などの質問が出ました。

    
株式会社アイシンにて

 

豊橋技術科学大学では、大学概要の説明を受けた後、「電気・電子情報工学」と「情報・知能工学」課程の研究室を見学させていただきました。

高度な研究内容に「難しそう」という感想が多く聞かれましたが、社会に役立つ研究の一端に触れ、興味を惹かれたようです。

情報技術科では四割ぐらいの生徒が進学しますが、是非自分の進路選択の参考にしてもらいたいと思います。

  
豊橋技術科学大学にて


【授業紹介】LANケーブルの製作 ネットワーク技術(3年・選択)

 

今年もネットワーク技術の実習が始まりました。

今回は初回ということで、今後自分たちが実習で用いるLANケーブルを自作しました。

 

LANケーブルは確実な通信を行うために、磁束を打ち消すよう内部の配線をねじってあったり、心線やプラグに様々な種類があったり、多くの工夫がなされています。そういった座学で学んだ知識を実物を見て確かめながら、製作を進めていきました

 

内部のやや硬めの信号線を真っすぐに手で伸ばし、切りそろえてからプラグに差し込み圧着します。

口で言うのは簡単ですが、丁度いい長さに切りそろえ、心線とプラグの内部がしっかりと圧着できなければならないので、慣れるまではなかなかうまく作れません。

 

完成したら、最後にテスターを用いて導通のチェックをします。今回は両端の結線が同じ配列になるストレートケーブルを製作したので、「ストレートケーブル OK」と画面に表示されれば、通信ができるケーブルが完成した証拠です。

一発でOKが出て喜ぶ生徒もいれば、エラーが出てしまい泣く泣く作り直す生徒も…

 

早々とOKが出た生徒達には、授業で使うLANケーブルの修理をお願いしました。

 

次の実習はリピータハブとスイッチングハブの特性の違いについて、実際にネットワークを構築しながら学んでいきます。

今後も知識だけに偏ることなく、技術に直接触れながら理解を深めていきます。



【授業紹介】1年生の工業基礎が始まりました

情報技術科で1年生の工業基礎が始まりました。1年生にとって初めての実習の授業です。

 

今日は、情報技術科のコンピュータ設備の基本的な使い方の説明を受けた後、これから毎日のように触ることになるキーボードに慣れるため、タイピングの基礎練習を始めました。

このタッチタイピング(キーを見ずに打つ技術)の修得が、情報技術科での最初の山場になります。これをおよそ三週間で身に着けます

    

 

タッチタイピングにセンスは必要ありません。

手元を見ない・指を毎回ホームポジションに戻す・スピードよりもまずは正確性を求める、などなど…

さまざまなことを意識しながら、練習をコツコツと積み重ねていくことが上達の近道です。

 

まずは、キーボードを見ずに1分間100文字打てることを目指して練習します。この目標に到達できているかどうか、3週間後にテストが行われます。