情報技術科
【授業紹介】L3スイッチ実習 ネットワーク技術(3年・選択)
例年よりも時間数に余裕があったので、今年は毎年恒例のトラブルシューティング実習(→過去記事)が終わった後にL3スイッチ実習を行いました。
実は、生徒達がネットワーク技術の授業内でL3スイッチを扱うのは初めてのことです。
というのも、本授業では通信の仕組みを基礎から確実に理解するために、敢えて実社会で広く使われる通信技術(L3スイッチやWi-Fi等の無線通信)ではなく古典的な通信技術(リピータハブやL2スイッチ)を用いているからです。
今回は2台のL3スイッチを用いて、2台にまたがる3つのVLAN(仮想的なLAN)を構築し、各VLAN同士の通信とインターネット接続ができるように設定を行いました。
実際の現場を想定して、ネットワーク構成図を示した上で説明書を渡しただけで実習開始。DHCP、DNS、ルーティング、ポートVLAN、タグVLAN、様々な知識が求められますが、作業手順等は一切示さずに、今までに学んだ知識と説明書に書いていることだけで通信の実現を目指します。
さすがに今日の1時間だけでは終わらなかったので、木曜日の5・6限に持ち越し。
3年生最後のネットワーク技術の授業、社会に出てからも大丈夫だと自信をもつ為にも、居残りなしで清々しく終えたいところです。
【SSH】Shizuoka Tankyu Collection にてポスター発表を行いました
1/21(日)にグランヒルズ静岡で開催されたShizuoka Tankyu Colletcion(→公式サイト)。
高校生のための高校生による高校生のイベントということで、運営に多くの学生が関わり、各高校の特色を活かした様々な出し物(食品の販売やダンス・ファッションショー等)が行われました。
その中で行われた研究発表の部門で、本校のSSH海外研修班がポスター発表を行いました。今回は部活動の関係で2名での参加となりました。
開発中のアプリケーションをタブレットで例示する等、前回の静岡大学での発表よりも具体性をもって話をすることができました。
また、教員ではなく、一般の参加者の方からの質問に答える等、普段できない経験もでき良い勉強になりました。
世界最高のIT先進国・エストニアへの渡航まで残り2週間。
質疑応答の時間で深まった知見をもとに、準備を進めていきます。
進路体験発表会
3年生が後輩に向けて自分の進路選択について話をする進路体験発表会が行われました。
どのようにして就職・進学先を決定したか、いつから・どんな形で対策を行ったか、自分の体験をもとに就職6名・進学4名の3年生が話をしました。
十人十色の経験談でしたが、自分で進路室に通って情報を集めることや、自分の興味のある分野の活動に積極的に参加すること等、考えたり悩んだりするだけではなく、実際に行動を起こすことが重要であることは共通して肌で感じていたようでした。
まだまだ先だと思っていると、あっという間に目の前に迫ってくるのが進路というもの。各々ができることを日々少しずつ積み重ねていきます。
【快挙】応用情報技術者試験(AP) 1名合格!
IPA主催の国家資格・応用情報技術者試験にEi科から合格者が出ました。なんと2年生での合格です。
(公式ページ:https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/ap.html)
佐々木晴都(情報技術科2年・知的制御研究部)
応用技術者試験(AP)は、基本情報技術者試験(FE)のワンランク上の国家資格です。
基本情報技術者試験は「ITエンジニアの登竜門」とも呼ばれる試験で、社会人が受験しても、合格率は全体で平均して25%前後。
そしてその合格者達がチャレンジをしても、これもまた25%前後しか合格できない非常に狭き門なのがこの応用情報技術者試験です。
浜松工業高校からも過去合格者は出ていますが、2年生での合格はまさしく快挙。
せっかくなので合格者の声を少し聞いてみました。
Q 試験対策はいつから、どのようにして行ったか?
ー 試験の半年くらい前から勉強をスタートしました。しかし、夏休み前までは学校の課題などに追われまともに勉強することができませんでした。夏休みはそれを挽回すべく、毎日数時間ずつ勉強をしました。用いた参考書は日高哲郎氏著の「情報処理教科書 応用情報技術者テキスト&問題集」です。その参考書を何周も読みました。ただ単語と意味を一対一で覚えるのではなく、周辺の知識までしっかり押さえたつもりです。
大体参考書を3周精読したあたりから応用情報技術者試験.comというサイトで過去問演習を行いました。午後試験は過去問をIPA公式からダウンロードして5~6回分くらいやって対策しました。
Q 一番大変だったことは何か?
ー 基本情報も応用情報もアルファベット三文字の用語が多く、覚えるのが大変でした。特にネットワークの分野が覚えにくい上に頻出だったので大変でした。
Q 最後に一言
ー 応用情報の上に高度試験というものがいくつかあるのですが、それは大学生になったら取りたいと思っています。そのために今年と来年は受験勉強に全力で集中し、必ず第一志望合格をつかみ取りたいです。
ネットワークに関する専門的な授業は3年次にある為、単語に対するイメージが持ちにくく苦戦したようですが、丸暗記ではなく周辺知識も含めて勉強することで定着を図ったようです。
今年度より、基本情報技術者試験が年2回だけの実施から、毎月受験可能になりました。
その影響もあり、今年の2年生は今学期での挑戦を見据え、多くの生徒が各自勉強を進めています。
高校生のうちに、自分の成長のために「プラスα」ができる時間を捻出し、日々の積み重ねで目標を達成する経験を是非して欲しいと思います。
【授業紹介】研究発表会 課題研究(3年・必修)
自分でテーマを設定し、今まで学んできた知識や技術を総動員して探究活動を行っていく課題研究。
その総まとめの発表会を、3日間に渡って行いました。
情報技術科の課題研究は2年次からテーマ設定を行い、3年次から活動を開始。基本的に1人1テーマです。
スライドを用いて発表し、その後に生徒・教員からの質疑応答という流れで行いました。
また、2日目は2年生が見学をしました。2年生向けの発表会を務めた生徒のテーマを簡単に紹介します。
鈴木大地「複雑な図形の単純化」
読み込ませた図形の概形を認識して、それを簡略化したものを自動で生成するアルゴリズムを考え、プログラムを作成しました。
作成したプログラムを実際に動作させると様々な問題点が浮かび上がってきましたが、一つ一つ対策を考えてプログラムを修正することができました。
平川心菜「MASを用いた感染症拡大シミュレーションの実装」
Google Colaboratoryというサービス をローカル環境で正しく動作するように移植しました。
それを用いて感染症拡大のシミュレーションを行い、得られた結果から考察を行いました。
堀内 陽「画像生成AIを用いた画像修正」
Stable Diffusionという画像生成AIを用いて実際に画像を生成し、そこで出た課題点を修正できないか試行錯誤しました。
鈴木莉名「自立制御ロボットの製作」
複数人で協働して自立制御ロボットを制作し、高校生のロボット大会に出場しました。
残念ながら大会では負けてしまいましたが、失敗の要因を推測し、修正案を考えることができました。
松下竜之「食堂の空席表示」
どうしても給食の時に混雑してしまう食堂。
空席が一目で分かれば便利ではないかと考え、Raspberrypiという小型コンピュータとカメラを用いて人体の自動検出を試みました。
実用化には至りませんでしたが、光の強さなどの外的要因の影響を受けないシステムを構築することがいかに難しいか、体感することができました。
2年生に発表する緊張から解放された生徒達。立派な発表でした。
是非2年生も自分なりのテーマを見つけ、1年間向き合って欲しいと思います。