情報技術科
【快挙】応用情報技術者試験(AP) 1名合格!
IPA主催の国家資格・応用情報技術者試験にEi科から合格者が出ました。なんと2年生での合格です。
(公式ページ:https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/ap.html)
佐々木晴都(情報技術科2年・知的制御研究部)
応用技術者試験(AP)は、基本情報技術者試験(FE)のワンランク上の国家資格です。
基本情報技術者試験は「ITエンジニアの登竜門」とも呼ばれる試験で、社会人が受験しても、合格率は全体で平均して25%前後。
そしてその合格者達がチャレンジをしても、これもまた25%前後しか合格できない非常に狭き門なのがこの応用情報技術者試験です。
浜松工業高校からも過去合格者は出ていますが、2年生での合格はまさしく快挙。
せっかくなので合格者の声を少し聞いてみました。
Q 試験対策はいつから、どのようにして行ったか?
ー 試験の半年くらい前から勉強をスタートしました。しかし、夏休み前までは学校の課題などに追われまともに勉強することができませんでした。夏休みはそれを挽回すべく、毎日数時間ずつ勉強をしました。用いた参考書は日高哲郎氏著の「情報処理教科書 応用情報技術者テキスト&問題集」です。その参考書を何周も読みました。ただ単語と意味を一対一で覚えるのではなく、周辺の知識までしっかり押さえたつもりです。
大体参考書を3周精読したあたりから応用情報技術者試験.comというサイトで過去問演習を行いました。午後試験は過去問をIPA公式からダウンロードして5~6回分くらいやって対策しました。
Q 一番大変だったことは何か?
ー 基本情報も応用情報もアルファベット三文字の用語が多く、覚えるのが大変でした。特にネットワークの分野が覚えにくい上に頻出だったので大変でした。
Q 最後に一言
ー 応用情報の上に高度試験というものがいくつかあるのですが、それは大学生になったら取りたいと思っています。そのために今年と来年は受験勉強に全力で集中し、必ず第一志望合格をつかみ取りたいです。
ネットワークに関する専門的な授業は3年次にある為、単語に対するイメージが持ちにくく苦戦したようですが、丸暗記ではなく周辺知識も含めて勉強することで定着を図ったようです。
今年度より、基本情報技術者試験が年2回だけの実施から、毎月受験可能になりました。
その影響もあり、今年の2年生は今学期での挑戦を見据え、多くの生徒が各自勉強を進めています。
高校生のうちに、自分の成長のために「プラスα」ができる時間を捻出し、日々の積み重ねで目標を達成する経験を是非して欲しいと思います。
【授業紹介】研究発表会 課題研究(3年・必修)
自分でテーマを設定し、今まで学んできた知識や技術を総動員して探究活動を行っていく課題研究。
その総まとめの発表会を、3日間に渡って行いました。
情報技術科の課題研究は2年次からテーマ設定を行い、3年次から活動を開始。基本的に1人1テーマです。
スライドを用いて発表し、その後に生徒・教員からの質疑応答という流れで行いました。
また、2日目は2年生が見学をしました。2年生向けの発表会を務めた生徒のテーマを簡単に紹介します。
鈴木大地「複雑な図形の単純化」
読み込ませた図形の概形を認識して、それを簡略化したものを自動で生成するアルゴリズムを考え、プログラムを作成しました。
作成したプログラムを実際に動作させると様々な問題点が浮かび上がってきましたが、一つ一つ対策を考えてプログラムを修正することができました。
平川心菜「MASを用いた感染症拡大シミュレーションの実装」
Google Colaboratoryというサービス をローカル環境で正しく動作するように移植しました。
それを用いて感染症拡大のシミュレーションを行い、得られた結果から考察を行いました。
堀内 陽「画像生成AIを用いた画像修正」
Stable Diffusionという画像生成AIを用いて実際に画像を生成し、そこで出た課題点を修正できないか試行錯誤しました。
鈴木莉名「自立制御ロボットの製作」
複数人で協働して自立制御ロボットを制作し、高校生のロボット大会に出場しました。
残念ながら大会では負けてしまいましたが、失敗の要因を推測し、修正案を考えることができました。
松下竜之「食堂の空席表示」
どうしても給食の時に混雑してしまう食堂。
空席が一目で分かれば便利ではないかと考え、Raspberrypiという小型コンピュータとカメラを用いて人体の自動検出を試みました。
実用化には至りませんでしたが、光の強さなどの外的要因の影響を受けないシステムを構築することがいかに難しいか、体感することができました。
2年生に発表する緊張から解放された生徒達。立派な発表でした。
是非2年生も自分なりのテーマを見つけ、1年間向き合って欲しいと思います。
【SSH】海外研修 前エストニア日本国大使より講話を頂きました
世界最高のIT国家・エストニアへの渡航まで残り3週間。
その事前研修として、前エストニア日本国大使を務められた北岡元(はじめ)様より、ご講話を頂きました。
生徒たちが自分たちの研究についての発表を行った後、北岡様からの講話、質疑応答という流れで進めました。
外務省や大学での勤務経験のある北岡様の講話は非常に興味深いもので、1時間という時間があっという間に感じるほどでした。
講義は概ね
・国の歴史は、地理的な要因の上に成り立つ(平坦なエストニア領土は他国から狙われやすく、他国から占領された過去がある。その爪痕が残る状態から国力を回復させるために国家のデジタル化を図った)
・国家のデジタル化には、国民の信頼が必要不可欠である(エストニアはどのようにして国民の信頼を勝ち取ったか?)
・エストニアのグローバル企業と政府、成功の要因は?(過去の教訓を活かした)
・エストニア人の国民性(日本人に近い勤勉な気質をもっている)
といった内容をお話し頂きました。
始めは少し緊張した様子の生徒達でしたが、質疑応答をする頃には終了時刻を超過するほどの熱量をもって質問ができるようになりました。
今回の講話によって、エストニアが単純にIT化を推し進めただけの国ではなく、国家としての再興を賭けてデジタル化を推し進め、苦難もありつつも着実に成果を上げていった背景を理解することができました。これにより、本研修がただのIT研修ではなく、その国に根付くフィロソフィー(哲学や理念)の部分も生徒達は感じることができるようになものになったと思います。特に 少ないリソースから最大限の成果を挙げるというエストニアの考え方は、少子化の進むこれからの日本にまさしく必要不可欠なものです。
北岡様、お忙しい中のご指導、誠にありがとうございました。
ならびに、北岡様との仲介を日本・エストニア友好協会(→公式サイト)の荒井様に御協力頂きました。ありがとうございました。
次の活動は、21日に静岡市で開催されるShizuoka Tankyu Collection(→公式サイト)でのポスター発表です。
浜松工業高校の代表として海外研修に参加する自覚をもって自分たちの学びを深めるのはもちろんのこと、そこで得た学びをしっかりと校内外に還元していきたいと思います。
【授業紹介】C言語 プログラミング技術(1年・必修)
1年生のC言語の学習が12月よりスタートしました。
C言語はプログラミング言語の中でも最もポピュラーな言語の一つです。
しかし、コンピュータの仕組みを正しく理解していないと、真に効率の良いプログラムを書くことはできません。
そこで、本校では1年次においていきなりC言語を学習するのではなく、まずはアセンブリ言語とPAD図を学び、その上でC言語の学習に入ります。
これにより、メモリがどのように使われるか、データがどのように格納されているか等をイメージを持ちながらプログラムを作ることができます。
初回の授業では、C言語をコーディングするためのツールとしてVS Codeのセッティングを行い、簡単なプログラムの作成と実行を行いました。
【授業紹介】グループプログラミング実習 放課後の様子 実習(2年・必修)
放課後に残ってグループプログラミング実習に取り組んでいる生徒達の様子です。
(詳しい授業内容についてはこちら → ①グルプロ授業 ②グルプロ発表会)
もちろん、各々部活動に所属をしているので、うまく折り合いをつけながらうまくスケジュール管理をしていく必要があります。
ちなみに写真に、写っているグループは3名が運動部に所属しています。
取り組んでいる生徒の画面を共有してもらいました↓
誰がどのように編集したか等はGit(画面左側)でバージョン管理をします。
(画面をよく見てみると、希望が見えてきたlineED.hという表示名が… 努力の跡が垣間見えます)
右側にはコーディングの画面です。巨大なプログラムになるので、仕様をしっかりとコメントに残して共通認識を持ちながら作業を進めていきます。
生徒と話をしていると、冬休みはグループプログラミングや基本情報技術者試験の対策をしたいという声がちらほらと。
休みはしっかりと取りつつも、是非冬休みを有意義に使って欲しいと思います。